薬と人権 ―個人使用の自由
インターネットのサイトなどから個人輸入した薬を服用した人の1割に意識障害や血圧上昇などの副作用が起きていることが, 厚生労働省研究班の初の調査でわかった. こうした薬の中には, 有効成分の量が多いなどの偽造品も多いが, 個人で輸入して使うことは薬事法で規制されていない. この研究班によると, 薬を個人輸入した経験のある663人のうち, 追跡調査に協力した157人中, 13%が副作用を経験していた. 薬の種類は, 勃起不全治療薬が約3割で最多とされ, それに育毛剤, ダイエット関連, 睡眠薬が続いたそうだ. 購入の理由は「安かった」が6割で, 「病院に行かなくていい」が3割だったとされる. この...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2011, Vol.138 (6), p.225-226 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | インターネットのサイトなどから個人輸入した薬を服用した人の1割に意識障害や血圧上昇などの副作用が起きていることが, 厚生労働省研究班の初の調査でわかった. こうした薬の中には, 有効成分の量が多いなどの偽造品も多いが, 個人で輸入して使うことは薬事法で規制されていない. この研究班によると, 薬を個人輸入した経験のある663人のうち, 追跡調査に協力した157人中, 13%が副作用を経験していた. 薬の種類は, 勃起不全治療薬が約3割で最多とされ, それに育毛剤, ダイエット関連, 睡眠薬が続いたそうだ. 購入の理由は「安かった」が6割で, 「病院に行かなくていい」が3割だったとされる. このように自己使用を目的にして薬を個人的に輸入する事例が多く見受けられるようになってきている. 薬は病気の治療や予防にとどまらず, 個人の幸福を追求する側面を有しているが, ときに害をもたらす. 薬はその開発段階のみならず, 色々な局面で人権と関わりを有しているといえる. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |