トランスポーター研究と疾患―機能解明から創薬標的へ
トランスポーター研究は, ここ数年で急激な進歩を遂げており, 新規トランスポーターの同定から発現組織の確認, 基質となる薬剤の検索を行い, 薬物体内動態への寄与を評価する研究はルーティン化し, 薬物動態研究や医薬品開発におけるドラッグデリバリーの制御において極めて重要な情報を我々に提供している. また, このような情報を基に, トランスポーターの遺伝子多型解析を行い, 薬効の個人差をあらかじめ把握することがすでに可能となっており, テーラーメイド医療を推し進める上でも, トランスポーター研究は極めて重要になってきている. さらに最近では, トランスポーターの発現調節因子, 膜発現調節の研究も進...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2009-09, Vol.134 (3), p.172-172 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | トランスポーター研究は, ここ数年で急激な進歩を遂げており, 新規トランスポーターの同定から発現組織の確認, 基質となる薬剤の検索を行い, 薬物体内動態への寄与を評価する研究はルーティン化し, 薬物動態研究や医薬品開発におけるドラッグデリバリーの制御において極めて重要な情報を我々に提供している. また, このような情報を基に, トランスポーターの遺伝子多型解析を行い, 薬効の個人差をあらかじめ把握することがすでに可能となっており, テーラーメイド医療を推し進める上でも, トランスポーター研究は極めて重要になってきている. さらに最近では, トランスポーターの発現調節因子, 膜発現調節の研究も進展し, 研究はその深みを増しつつある. しかしながら, 数多く同定されているトランスポーターの機能解析や動態研究の進展に比べ, 各種疾患との関連研究は一部の遺伝病に限られており, この分野の更なる発展が期待されていた. 最近, ようやく, トランスポーターの機能調節/発現調節と疾患の発症の知見が増えてきており, トランスポーターそのものが疾患治療の標的となりうる可能性が膨らみつつある. |
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ISSN: | 0015-5691 |