即効性抗うつ薬
「はじめに」従来の抗うつ薬は, うつ病の動物モデルでは単回投与で効果が得られるが, 臨床では連日服用し続けても効果が現われるまでに数週間を要する. このため, 即効性抗うつ薬が強く望まれている(1). 臨床におけるこのタイムラグは, 抗うつ薬の反復投与で幾度も刺激されたモノアミン神経系から, その都度刺激される他の神経系が次第に刺激に適合するまでの時間と推測され, 最終的に刺激される神経系に直接作用する薬剤は, 薬効が発現するまでの期間が短い抗うつ薬になると考えられる(2). また, うつ病は, 脳由来神経栄養因子(BDNF)などが減少し, このため神経細胞の可塑性またはリモデリング機能が不全...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2009-09, Vol.134 (3), p.171-171 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」従来の抗うつ薬は, うつ病の動物モデルでは単回投与で効果が得られるが, 臨床では連日服用し続けても効果が現われるまでに数週間を要する. このため, 即効性抗うつ薬が強く望まれている(1). 臨床におけるこのタイムラグは, 抗うつ薬の反復投与で幾度も刺激されたモノアミン神経系から, その都度刺激される他の神経系が次第に刺激に適合するまでの時間と推測され, 最終的に刺激される神経系に直接作用する薬剤は, 薬効が発現するまでの期間が短い抗うつ薬になると考えられる(2). また, うつ病は, 脳由来神経栄養因子(BDNF)などが減少し, このため神経細胞の可塑性またはリモデリング機能が不全になるために発症し, 抗うつ薬はBDNFの発現を増加することによってNMDAレセプター機能を低下すると考えられている(3). したがって, グルタメートレセプター遮断薬が, 抗うつ薬として注目されている. |
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ISSN: | 0015-5691 |