表現型からみた受容体サブタイプ

受容体は, 薬理学の分野では, 組織標本を用いて薬物の作用および親和性の違いを指標にして分類されてきた(1,2). 一方, 受容体の遺伝子がクローニングされると, その受容体タンパクが示す特性がサブタイプ同定の重要な情報となる. 生体内で, 遺伝子的に同定された受容体だけでは説明のつかない薬理学的特性が見つかった場合, 我々は未知の受容体の存在を推定し, その遺伝子探索へと研究を進める. そして, 該当する遺伝子が発見されるまでは, その受容体をputative receptorという範疇に入れて未解決の状態にしてきた. 最近, このputative receptorに対する解決の糸口がつかめ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2008-12, Vol.132 (6), p.379-379
Hauptverfasser: 鈴木史子, 村松郁延
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:受容体は, 薬理学の分野では, 組織標本を用いて薬物の作用および親和性の違いを指標にして分類されてきた(1,2). 一方, 受容体の遺伝子がクローニングされると, その受容体タンパクが示す特性がサブタイプ同定の重要な情報となる. 生体内で, 遺伝子的に同定された受容体だけでは説明のつかない薬理学的特性が見つかった場合, 我々は未知の受容体の存在を推定し, その遺伝子探索へと研究を進める. そして, 該当する遺伝子が発見されるまでは, その受容体をputative receptorという範疇に入れて未解決の状態にしてきた. 最近, このputative receptorに対する解決の糸口がつかめてきた. α1アドレナリン受容体には, これまでに3つのサブタイプ(α1a, α1B, α1D)の遺伝子が同定されている. これらの受容体はいずれも代表的なα1アドレナリン受容体アンタゴニストであるprazosinに高い親和性を示し, その薬理学的性質は, 生体組織でみられるα1アドレナリン受容体の3つのサブタイプと概ね一致している.
ISSN:0015-5691