肝毒性

薬剤誘発性肝障害は開発中止や市販後に警告,販売中止に至る主要な有害事象である.医薬品の“開発プロセス”においては,肝毒性のポテンシャルを可能な限り早期に評価し,安全域,回復性,モニタリングマーカー,種差,類薬比較,リスク・ベネフィット分析等を通じて,薬剤開発に関するgo/no-goの決定が行われる.近年,市販段階に至って初めて検出されるような特異体質性肝毒性のために,警告,販売中止に至るケースも見受けられ,患者,医療者,当局,製薬企業の関心も高い.特異体質性肝毒性を完全に予測・回避する方法は現時点ではないが,反応性代謝物が関連するとの状況証拠もあり,その生成の可能性の低い候補化合物を選別するこ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2008, Vol.132(6), pp.347-350
Hauptverfasser: 寺西, 宗広, 真鍋, 淳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:薬剤誘発性肝障害は開発中止や市販後に警告,販売中止に至る主要な有害事象である.医薬品の“開発プロセス”においては,肝毒性のポテンシャルを可能な限り早期に評価し,安全域,回復性,モニタリングマーカー,種差,類薬比較,リスク・ベネフィット分析等を通じて,薬剤開発に関するgo/no-goの決定が行われる.近年,市販段階に至って初めて検出されるような特異体質性肝毒性のために,警告,販売中止に至るケースも見受けられ,患者,医療者,当局,製薬企業の関心も高い.特異体質性肝毒性を完全に予測・回避する方法は現時点ではないが,反応性代謝物が関連するとの状況証拠もあり,その生成の可能性の低い候補化合物を選別することで潜在的な特異体質性肝毒性発現の可能性低減を図るという方法が取り入れられてきている.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.132.347