本邦におけるACE阻害薬とARBの高血圧, 心不全, 糖尿病性腎症に関する治験:用量設定と副作用を中心に
1. アンジオテンシン変換酵素阻害薬の用量設定 アンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin-converting enzyme inhibitor, ACE阻害薬)の用量は我が国と米国とでは異なり, 本態性高血圧における米国の最高用量は我が国の承認用量の2-4倍のことが多い. ACE阻害薬のプロトタイプであるカプトプリルの開発は主に1970年代に行われた. 当初, 欧米で行われた臨床試験では, カプトプリルの用量は著しく高用量に設定された. この理由の一つとして, カプトプリルの降圧作用の観察が短い時間内に行われたことが挙げられる. ある臨床試験では先ずカプトプリル10~25mgが...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2008-03, Vol.131 (3), p.180-181 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. アンジオテンシン変換酵素阻害薬の用量設定 アンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin-converting enzyme inhibitor, ACE阻害薬)の用量は我が国と米国とでは異なり, 本態性高血圧における米国の最高用量は我が国の承認用量の2-4倍のことが多い. ACE阻害薬のプロトタイプであるカプトプリルの開発は主に1970年代に行われた. 当初, 欧米で行われた臨床試験では, カプトプリルの用量は著しく高用量に設定された. この理由の一つとして, カプトプリルの降圧作用の観察が短い時間内に行われたことが挙げられる. ある臨床試験では先ずカプトプリル10~25mgが投与され, 以後6時間毎に1回投与量が100mgに到達するまで投与量を2倍に増量した(1). そして更に次の24時間~48時間では投与量は更に増量され, 22例の被験者中12例では1000mgまで増量された. このように, カプトプリルの急性効果に注目し, 用量を短期間に増量したことが, カプトプリルの用量が高く設定された一因と思われる. |
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ISSN: | 0015-5691 |