NIDA(米国国立薬物乱用研究所)Travel Awardを受賞にあたり

今回, Society for Neuroscienceが開催するNeuroscience meetingのサテライトとして同時開催されるNIDA(National Institute On Drug Abuse) Mini Convention:Frontiers in Addiction Researchにおいて, 日本薬理学会の推薦を受け, travel awardを頂いた. NIDA Mini Convention:Frontiers in Addiction Researchは, 11月2日に, カルフォルニアのサンディエゴ・コンベンションセンターにて開催された. NIDAはNIH(...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2008-02, Vol.131 (2), p.169-169
1. Verfasser: 葛巻直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, Society for Neuroscienceが開催するNeuroscience meetingのサテライトとして同時開催されるNIDA(National Institute On Drug Abuse) Mini Convention:Frontiers in Addiction Researchにおいて, 日本薬理学会の推薦を受け, travel awardを頂いた. NIDA Mini Convention:Frontiers in Addiction Researchは, 11月2日に, カルフォルニアのサンディエゴ・コンベンションセンターにて開催された. NIDAはNIH(National Institutes of Health)の研究機関の一つであり, 米国において深刻な問題となっている薬物依存問題について取り組んでいる. NIDA Mini Convention:Frontiers in Addiction Researchは, International Union of Basic and Clinical Pharmacology(IUPHAR), International Brain Research Organisation(IBRO), International Narcotics Research Conference(INRC), The College on Problems of Drug Dependence(CPDD), The International Cannabinoid Research Society(ICRS)ならびにInternational Drug Abuse Research Society(IDARS)より推薦を受け選出された受賞者の発表により構成されている. 今回, 私はIUPHARのアジア代表として推薦して頂き, NIDAよりtravel awardを受賞した. アジアから選出された若手研究者は数名であり, 日本人は私のみであった. 全体としては, 世界各国より推薦を受け, 65名の若手研究者が受賞した. 学会では, Early Career Poster Sessionというセッションが設けられ, 受賞者によるポスター発表が行われた. 私は, このセッションにおいて, “Drugs of Abuse Induce Cell Differentiation From Neural Stem Cell"というタイトルで, 覚せい剤であるメタンフェタミンあるいは麻薬であるモルヒネの神経幹細胞からの分化誘導やグリア細胞への影響について, 分子生物学的に検討した知見を発表した. こうした神経細胞, グリア細胞あるいは神経幹細胞を含めた三者間の細胞-細胞間相互作用に着目して, 依存性薬物の影響について検討した報告は, これまでにない新しいアプローチであり, 多くの聴衆に集まって頂いた. また, 他の受賞者による発表もレベルが高く, 依存性薬物によるグリア細胞への影響や新しい分子標的の検討ならびにヘテロダイマーといった受容体の構造と依存性発現の分子機構など, 発表の内容も多彩であった. このポスターセッション以外にも, “Heteromerization of G-Protein-Coupled Receptors:Implications for Central Nervous System Function and Dysfunction"ならびに“Glial Cells and Addiction"といったシンポジウムもあり, 各分野のスペシャリストが集まり, 大変盛況な学会であった. 今回, このような賞を頂き, 世界のトップレベルの研究者が集まるなか, 研究発表できたことを大変名誉に思っております. 最後に, 今回, ご推薦頂いた, 日本薬理学会理事長 三品昌美先生ならびに日本薬理学会総務委員長 飯野正光先生, また, 多大なるご協力を頂いた星薬科大学薬品毒性学教室の鈴木勉教授, 成田年准教授, 鈴木雅美助教をはじめ教室員の皆様に心より深謝申し上げます.
ISSN:0015-5691