EPRIL法によるRNAiライブラリーの構築と応用

siRNAやsiRNA発現ベクターを用いたRNAiは,哺乳動物細胞において簡便で迅速な遺伝子発現抑制を実現することができ,遺伝子とその機能の関係を網羅的に理解するための画期的な技術として期待されている.我々は,任意のDNA断片を酵素的にsiRNA発現コンストラクトへと変換する技術であるEPRIL(enzymatic production of RNA interference library)法を開発した.このEPRIL法によって生成されるsiRNA発現コンストラクトは多様性に富んだRNAiライブラリーを構成する.従って,ある遺伝子についてRNAiライブラリーを作製すると,その遺伝子の様々な部...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2005, Vol.125(4), pp.225-231
1. Verfasser: 廣瀬, 謙造
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:siRNAやsiRNA発現ベクターを用いたRNAiは,哺乳動物細胞において簡便で迅速な遺伝子発現抑制を実現することができ,遺伝子とその機能の関係を網羅的に理解するための画期的な技術として期待されている.我々は,任意のDNA断片を酵素的にsiRNA発現コンストラクトへと変換する技術であるEPRIL(enzymatic production of RNA interference library)法を開発した.このEPRIL法によって生成されるsiRNA発現コンストラクトは多様性に富んだRNAiライブラリーを構成する.従って,ある遺伝子についてRNAiライブラリーを作製すると,その遺伝子の様々な部分に対応するsiRNAコンストラクトが得られる.siRNAは配列によって効果が著しく異なることが知られているが,RNAiライブラリーをスクリーニングすることによって,最も強力な遺伝子発現抑制作用を有するsiRNA発現コンストラクトを取得することができる.また,EPRIL法の原料としては,多種類のDNA混合物であるcDNAライブラリーを用いることができる.cDNAライブラリーから作製されたRNAiライブラリーは,発現している遺伝子を網羅するのに十分な複雑性を持つと考えられ,このライブラリーを用いることによって網羅的な機能遺伝子の探索が可能になる.以上のように哺乳動物におけるRNAiの可能性を広げるEPRIL法は,今後の薬理学研究や創薬科学において重要な貢献をするであろうと期待される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.125.225