B-16 NGF誘発突起伸展におけるNADPH oxidaseの役割
[目的]NADPH oxidaseはrac依存性にsuperoxideを産生する膜蛋白で, 好中球やマクロファージの防御反応, 血管平滑筋の肥大や増殖に寄与することが報告されている. 近年, これらのNADPH oxidaseの病態生理学的役割に加え, 神経細胞死におけるNADPH oxidaseの関与を示唆する報告がなされている. またPC12細胞におけるNGF刺激誘発突起伸展にracに依存した一過のsuperoxideの産生上昇が関わることが見出されたが, その詳細については未だ明らかにされていない. そこで本研究では神経系におけるNADPH oxidaseの役割についてPC12の突起伸展...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2004, Vol.124 (2), p.23P-23P |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]NADPH oxidaseはrac依存性にsuperoxideを産生する膜蛋白で, 好中球やマクロファージの防御反応, 血管平滑筋の肥大や増殖に寄与することが報告されている. 近年, これらのNADPH oxidaseの病態生理学的役割に加え, 神経細胞死におけるNADPH oxidaseの関与を示唆する報告がなされている. またPC12細胞におけるNGF刺激誘発突起伸展にracに依存した一過のsuperoxideの産生上昇が関わることが見出されたが, その詳細については未だ明らかにされていない. そこで本研究では神経系におけるNADPH oxidaseの役割についてPC12の突起伸展に着目して解析を行った. [方法]PC12を50ng/ml NGFを含む培地で4日間培養後, パラホルムアルデヒドで固定し, 無作為に抽出した細胞の突起の長さを計測した. 一万, RT-PCR法およびreal-timePCR法を用いてNAPH oxidaseの触媒サブユニットNOXのmRNA発現量を測定した. [結果]未分化PC12においてはNADPH oxidaseの触媒サブユニットアイソフォームであるNOX1はNOX2と比較して約4倍多く発現していた. NGF刺激により時間依存的にPC12の突起伸展を認めたが, これに伴いNOX1のmRNAはNGF刺激3日目以降著明に増加した. NOX2 mRNAはNGF刺激1日目以降時間依存的に減少した. 突起伸展におけるNADPH oxidaseの関与を検討するため, NADPH oxidase阻害薬のDPIまたはapocyninを添加したところ, 両薬物はNGFによる突起伸展を有意に促進した. またSOD並びにcatalase活性を有するEUK-8を培地に添加したとろ, NGFによる突起伸展は対照と比較し有意に促進していた. [結論]以上の結果より, PC12においてNADPH oxidaseのサブユニットNOX1はNGFによる突起伸展を制御している可能性が示された. |
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ISSN: | 0015-5691 |