A-10 高インスリン血症を誘発した高血圧高脂血症自然発症ラットの脂質動態の変化について
生活習慣病においてはインスリン抵抗性, 高脂血症, 高血圧を合併し, 各種心血管イべントを誘発する原因となることが広く知られている. 疾病の病態の原因と治療の研究には実験動物が広く用いられているが, これら症状を合併するモデル動物は少ない. 私どもは以前, 高血圧高脂血症自然発症ラット(SHHR)を開発した. 本モデルは高脂肪を負荷することにより顕著な脂質沈着をきたす. 今回, 高血糖がこのモデルに与える影響を明らかにするため, 高血糖と高脂肪食を負荷したSHHRの脂質動態について検討した. 方法:生後4ヶ月齢の雄性SHHRと対照としてWistar rat(Wistar)に1ヶ月間, 一酸化窒...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2004, Vol.124 (2), p.5P-5P |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 生活習慣病においてはインスリン抵抗性, 高脂血症, 高血圧を合併し, 各種心血管イべントを誘発する原因となることが広く知られている. 疾病の病態の原因と治療の研究には実験動物が広く用いられているが, これら症状を合併するモデル動物は少ない. 私どもは以前, 高血圧高脂血症自然発症ラット(SHHR)を開発した. 本モデルは高脂肪を負荷することにより顕著な脂質沈着をきたす. 今回, 高血糖がこのモデルに与える影響を明らかにするため, 高血糖と高脂肪食を負荷したSHHRの脂質動態について検討した. 方法:生後4ヶ月齢の雄性SHHRと対照としてWistar rat(Wistar)に1ヶ月間, 一酸化窒素合成酵素阻害薬(L-NAME, 100mg/L)を飲料水とともに摂取させた. 5ヶ月齢より高脂肪食(HFD)と15% sucrose含有飲料水(Suc)を2ヶ月間摂取させた. 一晩絶食後, 血中のインスリン(Ins), グルコース(Glu), 総コレステロール(Ch)レベルについて検討した. 結果:Wistarでは血中ChにHFDとSucの影響は認めなかったが, SHHRではHFDにより血中Chは有意な上昇を示し, HFD+Suc負荷でさらに有意上昇を示した. 血中InsレベルはWistar Cont群, Wistar HFD群, SHHR Cont群, SHHR HFD群との間には有意差がなかった. 一方, Suc負荷によりWistar, SHHRともにCont群に比べ有意高値を示した. 血中Gluは各群の間に有意な変化は認めなかった. 考察:以上, Wistarでは血中ChレベルにSucの効果は認められなかったが, SHHRではHFDで上昇し, Suc負荷でさらに著明な上昇を認めた. また, Wist, SHHRとも血中GluはHFDとSucの影響を受けなかったが, 血中InsはSucにより上昇した. これらの結果, SHHRにSucを負荷することにより高In S血症, 高脂血症, 高血圧を合併したモデルラットを確立することが出来た. 今後各種生活習慣病治療薬の効果判定への応用について検討していきたい. |
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ISSN: | 0015-5691 |