A-7 イヌ心室筋再分極過程に対するclass III群薬sematilideの作用:麻酔薬の違いによるQT延長作用の評価

【目的】麻酔薬の中にK+チャネル抑制作用を有する薬物が報告されており, 心筋再分極相に与える被検薬物の検出力は麻酔薬の選択により影響を受ける可能性がある. 本研究では, in vitroでK+チャネル抑制作用が報告されているハロセンとペントバルビタールを麻酔薬として用い, 選択的K+チャネル阻害薬sematilideの心筋再分極過程に対する作用をイヌで比較検討した. 【方法】体重約10kgのビーグル犬をハロセン(1% inhalation, n=4)またはペントバルビタール(30mg/kg, i. v. , n=4)で麻酔した. 非開胸下で血圧, 左心室内圧, 体表面心電図, His束心電図,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2004, Vol.124 (2), p.4P-4P
Hauptverfasser: 高原章, 杉山篤, 佐藤吉沖, 中村裕二, 王凱, 本勝幸子, 橋本敬太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】麻酔薬の中にK+チャネル抑制作用を有する薬物が報告されており, 心筋再分極相に与える被検薬物の検出力は麻酔薬の選択により影響を受ける可能性がある. 本研究では, in vitroでK+チャネル抑制作用が報告されているハロセンとペントバルビタールを麻酔薬として用い, 選択的K+チャネル阻害薬sematilideの心筋再分極過程に対する作用をイヌで比較検討した. 【方法】体重約10kgのビーグル犬をハロセン(1% inhalation, n=4)またはペントバルビタール(30mg/kg, i. v. , n=4)で麻酔した. 非開胸下で血圧, 左心室内圧, 体表面心電図, His束心電図, 心拍出量, 心室ペーシング時の単相性活動電位持続時間(MAP90)および心室有効不応期(ERP)を計測した. 心室筋の電気的受攻性を再分極終末相持続時問(TRP;MAP90-ERP)より推定した. Sematilideは薬効量の0.1, 1, および10倍量(0.03, 0.3, および3mg/kg)をそれぞれ10分間で静脈内投与し, 上記指標に対する作用を評価した. 【成績】Sematilideは両麻酔条件下において血圧, 心電図PR問隔, QRS幅およびHis束心電図の各指標に影響を与えなかった. 心拍数はペントバルビタール麻酔下で低用量から, ハロセン麻酔下では高用量で減少した. MAP90はペントバルビタール麻酔下で高用量から, ハロセン麻酔下では中用量から延長した. 高用量における延長の程度はハロセン麻酔の方が約1.5倍であった. 両麻酔条件下で, ERPは中用量から延長したがTRPに有意な変化は観察されなかった. 【結論】本実験の麻酔条件において, sematilideによる再分極時間延長作用の程度はハロセン麻酔時の方が大きいことが示された. この結果は, ハロセンの方が心室筋の再分極予備能減少作用が大きいことを示している.
ISSN:0015-5691