SupersensitivityとToleranceの発生メカニズム

supersensitivityは, 除神経やアンタゴニストを長期投与した時観察される最も古典的な薬理学的現象の一つである. しかし, その発生メカニズムはまだ十分解明されていない. 本研究で私たちは, ラット尾動脈におけるreserpine-induced supersensitivityとα1アドレナリン受容体サブタイプ(α1A-, α1B-, α1D-AR)との関係を解析し, その結果を胸部大動脈と比較した. reserpineを2週間ラットに腹腔内投与すると, 尾動脈のnoradrenalineは枯渇し, phenylephrineの濃度収縮曲線はIO倍低濃度側にシフトした. このre...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2003, Vol.122 (suppl), p.60-62
Hauptverfasser: 村松郁延, 高城直幸, 章立, Malika Israilova, 平泉靖子, 森島繁, 鈴木史子, 田中高志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:supersensitivityは, 除神経やアンタゴニストを長期投与した時観察される最も古典的な薬理学的現象の一つである. しかし, その発生メカニズムはまだ十分解明されていない. 本研究で私たちは, ラット尾動脈におけるreserpine-induced supersensitivityとα1アドレナリン受容体サブタイプ(α1A-, α1B-, α1D-AR)との関係を解析し, その結果を胸部大動脈と比較した. reserpineを2週間ラットに腹腔内投与すると, 尾動脈のnoradrenalineは枯渇し, phenylephrineの濃度収縮曲線はIO倍低濃度側にシフトした. このreserpine-induced supersensitivityのメカニズムには, α1A-ARおよびα1B-ARに較べてcatecholaminesに高親和性を示すα1D-ARサブタイプの特異的発現が関与していた. 一方, 交感神経がほとんど支配していない胸部大動脈では, reserpine処置に関係なくα1D-ARが常に発現しており, catecholaminesに高い感受性を示すと考えられた. 本研究は, 受容体サブタイプの発現が支配神経により調節され, その結果, 組織の感受性, 機能に影響を及ぼしていることを明らかにしたもので, supersensitivityのメカニズムの一端を説明するものと思われた.
ISSN:0015-5691