O1-13 組織結合性 semicarbazide-sensitive amine oxidase (SSAO) の阻害剤 2-bromoethvlamine (2-BEA) の阻害機構 : 特に抗糖尿病薬としての可能性について

「要旨」: アミン酸化酵素 Semicarbazide-sensitive amine oxidase(SSAO, EC 1. 4. 3. 6)の阻害剤は数多く知られているが, 大部分は同時に他のアミン酸化酵素のMAO活性をも阻害する. 今回, MAO活性には全く無作用でSSAOのみを選択的に阻害する2_bromoethyl amine(2-BEA)の阻害機構について検討し, この化合物が糖尿病治療薬として有効であるか否かの解明の一助とした. 2-BEAによるSSAOの阻害はpreincubation時間と共に増大し, 阻害様式も可逆的, かつ競合型(Ki=2. 5μM)から最終的には非可逆的...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2002, Vol.120 (suppl), p.88-90
Hauptverfasser: 杵鞭宏育, 増子伸, 高橋かおり, 相沢宏行, 小畑俊男, Lars Oreland
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」: アミン酸化酵素 Semicarbazide-sensitive amine oxidase(SSAO, EC 1. 4. 3. 6)の阻害剤は数多く知られているが, 大部分は同時に他のアミン酸化酵素のMAO活性をも阻害する. 今回, MAO活性には全く無作用でSSAOのみを選択的に阻害する2_bromoethyl amine(2-BEA)の阻害機構について検討し, この化合物が糖尿病治療薬として有効であるか否かの解明の一助とした. 2-BEAによるSSAOの阻害はpreincubation時間と共に増大し, 阻害様式も可逆的, かつ競合型(Ki=2. 5μM)から最終的には非可逆的, 非競合型へと変化した. 透析や希釈操作では阻害されたSSAO活性の回復は認められなかった. SSAO阻害時のチュープ内気体相をN2ガスで置換した結果, 2-BEAによる酵素阻害率の低下が認められた. 従って2-BEAによるSSAO阻害には酸化された反応中間体を必要とする. 以上の結果から2-BEAは最初SSAOと反応し可逆的複合体を形成, 続いて共有結合により最終的に酵素阻害剤複合体を形成する自殺基質の可能性が示唆された. Kineticのデータより2-BEAは二分子反応, すなわち酵素SSAOの親和性標識化合物ではない.
ISSN:0015-5691