糖尿病モデルラットの体内時計同調機能低下における神経機構
【目的】糖尿病患者やモデル動物において, 種々のサーカディアンリズムの異常が報告されている. 我々もこれまで, 非インシュリン依存型糖尿病モデルであるOtsuka Long Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットにおいて, 高血糖発症前より光同調機能が低下しており, 高血糖の進行に伴ってその機能低下が著明になることを報告してきた. セロトニン(5-HT)神経系は体内時計機構に重要な役割を果たしている. そこで, 本研究ではOLETFラットの光同調機能低下に対する5-HT神経系の関与について検討した. 【方法】動物は糖尿病発症前のOLETFラットを用いた. ラットを恒暗条...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【目的】糖尿病患者やモデル動物において, 種々のサーカディアンリズムの異常が報告されている. 我々もこれまで, 非インシュリン依存型糖尿病モデルであるOtsuka Long Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットにおいて, 高血糖発症前より光同調機能が低下しており, 高血糖の進行に伴ってその機能低下が著明になることを報告してきた. セロトニン(5-HT)神経系は体内時計機構に重要な役割を果たしている. そこで, 本研究ではOLETFラットの光同調機能低下に対する5-HT神経系の関与について検討した. 【方法】動物は糖尿病発症前のOLETFラットを用いた. ラットを恒暗条件下で2日間飼育した後, CT13にあたる時刻に薬物を投与し, CT13.5にあたる時刻から100 luxの光を1時間照射した. その1時間後に脳を摘出して灌流固定し, ABC法を用いて免疫染色をおこない, Fos免疫陽性細胞数を計測した. 【結果および考察】5-HT神経の神経毒である5,7-DHT投与, および5-HT 1B受容体拮抗薬であるisamoltane投与により, OLETFラットのFos免疫陽性細胞数の減少が有意に回復した. すなわち, 光同調機能の改善作用が認められた. このことから, OLETFラットの光同調機能低下には5-HT神経系が重要な役割を果たしており, その受容体サブタイプとしては5-HT 1B受容体が重要であることが示唆された. OLETFラットはcholecystokinin(CCK)-A受容体が欠損している. CCKは5-HT神経系に共存していることが報告されていることから, OLETFラットの光同調機能低下にCCKも関与していると考えられる. この点についてもあわせて報告する. |
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ISSN: | 0015-5691 |