再灌流傷害において, IMPとAMP deaminaseが白血球の活性化・浸潤を抑制する

〔目的〕虚血－再灌流はその局所だけでなく肺, 腸管などの遠隔臓器にも傷害を引き起こす事が知られており, その中心的な役割を果たす白血球の活性化・浸潤を抑制する事は臨床的にも非常に重要であると考えられる. そこで我々は, マウス後肢の虚血－再灌流モデルを用いて, 白血球活性化及び浸潤を抑制する新しい内因性の機構の発見と, そのメカニズムの解明について検討した. 〔結果・考察〕マウス後肢の虚血－再灌流により, 肺において白血球の著名な浸潤が認められたが, 同時にAMP deaminase遺伝子発現のup-regulationとそれに伴う酵素活性の増加も認められた. AMP deaminase阻害剤の投与により, 白血球の浸潤が増加することから, AMP deaminaseの活性化が白血球の更なる浸潤を抑制している可能性が示唆された.