タクリンとドネペジルのヒスタミン神経系に対する影響

アルツハイマー病における神経伝達の異常は多くの神経伝達物質に異常が生じることが知られている. ヒスタミンに関しても剖検脳研究からアルツハイマー病脳においてその減少が報告されている. 我々はPETを用いてヒト脳のヒスタミンH1受容体測定をおこない, アルツハイマー病においてH1受容体の有意な減少を報告している. 主にアルツハイマー病ではアセチルコリン神経系の障害が見られることから, アセチルコリン神経系の賦活薬としてのコリンエステラーゼ阻害薬であるタクリンが抗痴呆薬として開発され, 最近ではさらに副作用の少ないドネペジルが臨床応用されている. タクリンの作用メカニズムはアセチルコリンエステラーゼ...

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Hauptverfasser: 越田真介, 櫻井映子, 谷内一彦, 渡邉建彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:アルツハイマー病における神経伝達の異常は多くの神経伝達物質に異常が生じることが知られている. ヒスタミンに関しても剖検脳研究からアルツハイマー病脳においてその減少が報告されている. 我々はPETを用いてヒト脳のヒスタミンH1受容体測定をおこない, アルツハイマー病においてH1受容体の有意な減少を報告している. 主にアルツハイマー病ではアセチルコリン神経系の障害が見られることから, アセチルコリン神経系の賦活薬としてのコリンエステラーゼ阻害薬であるタクリンが抗痴呆薬として開発され, 最近ではさらに副作用の少ないドネペジルが臨床応用されている. タクリンの作用メカニズムはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用であると考えられているが, アセチルコリンエステラーゼ活性より低い用量でヒスタミン分解酵素であるヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ(HMT)活性を抑制することが報告されている.
ISSN:0015-5691