精巣におけるAmidaの発現と機能解析

我々はAmidaをYeast two hybrid systemによりArcと相互作用する新規核蛋白質として単離している. 前回, AmidaのmRNAはNorthern blot法によってラット各組織の中で脳に発現レベルが高いと報告したが, 今回, 新たにラット精巣を含む各組織におけるAmidaのmRNAの発現を調べたところ, 精巣に一番高いレベルの発現が認められた. また, 精巣の発生段階におけるAmidaのmRNAの発現は生後18日まではほとんど認められないが, 生後27日から30日にかけて急激に上昇し, その後, 成体まで高発現が続くことが明らかになった. in situ hybrid...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2000, Vol.116 (4), p.302-302
Hauptverfasser: 甘業華, 平英一, 入江康至, 三木直正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々はAmidaをYeast two hybrid systemによりArcと相互作用する新規核蛋白質として単離している. 前回, AmidaのmRNAはNorthern blot法によってラット各組織の中で脳に発現レベルが高いと報告したが, 今回, 新たにラット精巣を含む各組織におけるAmidaのmRNAの発現を調べたところ, 精巣に一番高いレベルの発現が認められた. また, 精巣の発生段階におけるAmidaのmRNAの発現は生後18日まではほとんど認められないが, 生後27日から30日にかけて急激に上昇し, その後, 成体まで高発現が続くことが明らかになった. in situ hybridizationによりAmidaのmRNAはpachytene期の精細胞に局在することが明らかになった. Amidaが減数分裂に関与するかを検討するために, 腹腔内精巣を作制したところ, AmidaのmRNAの発現は手術後8日目に急激に減少した. 一方, COS-7細胞にEGFP-Amidaをtransfectionしたところ, 細胞の増殖が顕著に抑制された. そこで, 各種Amidaのdeletion mutantを作製し, 細胞の増殖を抑制する機能領域を決定した. この領域内にはCdc2によるリン酸化可能部位が存在することから, こちらの部位のCdc2によるリン酸化をin vitroで検討した. その結果, AmidaはCdc2/CyclinBによりリン酸化された. 更に, point mutationを作製することによりAmidaのSer-180がリン酸化されることが明らかになった. また, ラットのCdc2のmRNAの組織分布と発生等における発現パターンはAmidaのmRNAの発現とはほぼ一致した. 以上の結果よりAmidaは減数分裂に関与して, 精細胞の細胞周期の制御を行っていることが示唆された. また, この制御機構はCdc2によるリン酸化により調節されている可能性も示唆された.
ISSN:0015-5691