三環系抗うつ剤デシプラミンのGABA系を介する鎮痛効果
デシプラミン(DMI)は, 構造的にはカルバマゼピン(CMZ:三叉神経痛の治療薬)やジアゼパム(DZ:抗不安薬)と類似し, ベンザゼピン誘導体に属する. 本研究では, ノルエピネフリン(CA)系, セロトニン(5-HT)系を介するとされるDMIの薬理作用発現機序に, CMZやDZと同様にγ-アミノ酪酸(GABA)系が関与する可能性について検討した. [方法]SD系雄性ラット(200g前後)を使用した. 実験1:ラット海馬切片のCA2刺激によりCA1から得られるフィールド電位に対する, DMI, CMZ, DZとGABAとの各相互作用を調べた. 実験2:右後肢足底部にアジュバントを投与し, アジ...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2000, Vol.116 (4), p.289-289 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | デシプラミン(DMI)は, 構造的にはカルバマゼピン(CMZ:三叉神経痛の治療薬)やジアゼパム(DZ:抗不安薬)と類似し, ベンザゼピン誘導体に属する. 本研究では, ノルエピネフリン(CA)系, セロトニン(5-HT)系を介するとされるDMIの薬理作用発現機序に, CMZやDZと同様にγ-アミノ酪酸(GABA)系が関与する可能性について検討した. [方法]SD系雄性ラット(200g前後)を使用した. 実験1:ラット海馬切片のCA2刺激によりCA1から得られるフィールド電位に対する, DMI, CMZ, DZとGABAとの各相互作用を調べた. 実験2:右後肢足底部にアジュバントを投与し, アジュバント関節炎に伴う痛覚過敏状態を作成した. 痛覚過敏に対するDMI, ピクロトキシン(PCX:GABA_A アンタゴニスト), ザクロフェン(SAC:GABA_B アンタゴニスト)の影響をプランターテストにより調べた. [結果と考察]実験1:DMIはGABAのフィールド電位抑制作用を増強した. このDMIの効果は, CMZ, DZより強いものであった. 実験2:DMIは痛覚過敏状態を抑制した. この抑制効果は, PCXおよびSACによって拮抗された. これらの結果は, DMIの薬理作用発現には, CA系, 5-HT系以外にGABA系の活性化を介する機構の関与を示唆している. |
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ISSN: | 0015-5691 |