結紮膵炎モデルにおけるCCK_1 受容体拮抗薬の効果

〔目的〕コレシストキン(CCK)による膵外分泌亢進が膵炎の増悪に関与することを結紮膵炎モデルおよびCCK_1 受容体拮抗薬を用いて検討した. 〔方法〕(1)膵炎モデルは非絶食または絶食条件下のラットに総胆管末端または十二指腸腔を結紮して作製した. 膵炎の指標として血清および腹水アミラーゼ活性を測定した. (2)ウレタン麻酔下(1.3g/kg, 腹腔内投与)の非絶食ラットに膵管カニュレーションを行い, 膵液を回収した. 膵外分泌の指標として膵液量, 膵酵素量を測定した. (3)非絶食または絶食条件下での膵外分泌および結紮膵炎モデルに対するCCK_1 受容体拮抗薬Z-203(0.01~0.1mg/...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2000, Vol.116 (4), p.274-274
Hauptverfasser: 吉長幸嗣, 鷲塚昌隆, 東野雷太, 瀬川美秀, 栗本忠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕コレシストキン(CCK)による膵外分泌亢進が膵炎の増悪に関与することを結紮膵炎モデルおよびCCK_1 受容体拮抗薬を用いて検討した. 〔方法〕(1)膵炎モデルは非絶食または絶食条件下のラットに総胆管末端または十二指腸腔を結紮して作製した. 膵炎の指標として血清および腹水アミラーゼ活性を測定した. (2)ウレタン麻酔下(1.3g/kg, 腹腔内投与)の非絶食ラットに膵管カニュレーションを行い, 膵液を回収した. 膵外分泌の指標として膵液量, 膵酵素量を測定した. (3)非絶食または絶食条件下での膵外分泌および結紮膵炎モデルに対するCCK_1 受容体拮抗薬Z-203(0.01~0.1mg/kg, 静脈内投与)の影響を検討した. 〔結果〕非絶食条件下の結紮膵炎モデルにおいて一過性の血清アミラーゼの上昇を認めた. 高値のアミラーゼ活性を含む腹水が絶食条件下の総胆管末端および絶食, 非絶食条件下の十二指腸腔結紮モデルにおいて見られた. 非絶食条件下での膵外分泌亢進および結紮膵炎モデルにおける血清および腹水アミラーゼ活性の上昇はZ-203投与により抑制された. 一方, Z-203は絶食条件下の膵外分泌量に影響しなかった. またZ-203は結紮膵炎モデルによる血清アミラーゼの上昇を抑制したが, その作用は弱く, 腹水アミラーゼ活性の上昇は抑制しなかった. 〔考察〕膵管内に膵液を逆流させる結紮膵炎モデルにおいて食餌刺激性の膵外分泌亢進による膵炎の増悪, 進展にCCK_1 受容体を介したCCKの作用が関与していることが示唆された. 一方, 絶食条件下での結紮による膵炎の増悪, 進展にCCKの関与は少ないことが推察された.
ISSN:0015-5691