ジヒドロピリジン化合物のL型カルシウムチャネル阻害以外の作用
ジヒドロピリジン化合物はL型カルシウムチャネル阻害作用以外にも興味深い作用を有する場合がある. Efonidipineは反射性頻脈が極めて少ないとされている降圧薬である. Efonidipineは洞房結節組織標本の自発的活動電位の緩徐脱分極相後半の傾きを減少させてcycle lengthを延長させた. この特徴的な波形変化はefonidipineがL型カルシウムチャネルに加えてT型カルシウムチャネルをも抑制することで一部説明できた. 一方T型カルシウムチャネルは通常の心筋興奮収縮連関には寄与していなかった. これらのことから予想されるように, 摘出心筋標本の心拍数および収縮力を減少させる作用を...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2000, Vol.116 (4), p.270-270 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ジヒドロピリジン化合物はL型カルシウムチャネル阻害作用以外にも興味深い作用を有する場合がある. Efonidipineは反射性頻脈が極めて少ないとされている降圧薬である. Efonidipineは洞房結節組織標本の自発的活動電位の緩徐脱分極相後半の傾きを減少させてcycle lengthを延長させた. この特徴的な波形変化はefonidipineがL型カルシウムチャネルに加えてT型カルシウムチャネルをも抑制することで一部説明できた. 一方T型カルシウムチャネルは通常の心筋興奮収縮連関には寄与していなかった. これらのことから予想されるように, 摘出心筋標本の心拍数および収縮力を減少させる作用を比較すると, efonidipineは他のカルシウム拮抗薬に比べて高い心拍数選択性を有していた. T型カルシウムチャネル阻害作用を付与することにより, 薬物の徐脈性を高めることが可能であることが示唆された. AHC-52はジヒドロピリジン化合物でありながらL型カルシウムチャネル抑制作用を持たず, むしろcAMP依存性クロライド電流を抑制する. モルモット右心室筋の虚血再灌流モデルにおいて, AHC-52はクロライド阻害薬9-ACやSITSと同様に正常灌流状態での収縮力を減少させることなく再灌流後の収縮力の回復を著明に増大させた. クロライドイオン動態に影響する薬物は陽イオン動態に作用する薬物とは異なる機序で心筋保護効果を発揮する場合があり, ジヒドロピリジン化合物の中にもそのような化合物が存在することが示された. ジヒドロピリジン化合物をL型カルシウムチャネル阻害以外の観点から再検討することにより, 新しい作用機序を有する治療薬開発の手がかりが得られる可能性がある. |
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ISSN: | 0015-5691 |