エンケファリンによる培養ウシ副腎クロマフィン細胞からのカルシウム排出促進作用
副腎クロマフィン細胞は, カテコールアミンニューロンのモデルとして繁用されている. エンケファリンはカテコールアミンと共に副腎クロマフィン細胞の分泌顆粒内に存在し, 生理刺激による[Ca^2+ ]i濃度の上昇に伴って分泌される. 刺激により上昇した[Ca^2+ ]i濃度は, 次の生理刺激に呼応するために定常レベルへと回復しなければならない. そこで今回, 我々は培養ウシ副腎クロマフィン細胞を用いて, エンケファリン(EK)による細胞からのCa^2+ 排出について検討した. 1)Len-EKは濃度依存的(10^-8 M-10^-6 M)に^^45 Ca^2+ の排出を促進した. この排出促進はオ...
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Zusammenfassung: | 副腎クロマフィン細胞は, カテコールアミンニューロンのモデルとして繁用されている. エンケファリンはカテコールアミンと共に副腎クロマフィン細胞の分泌顆粒内に存在し, 生理刺激による[Ca^2+ ]i濃度の上昇に伴って分泌される. 刺激により上昇した[Ca^2+ ]i濃度は, 次の生理刺激に呼応するために定常レベルへと回復しなければならない. そこで今回, 我々は培養ウシ副腎クロマフィン細胞を用いて, エンケファリン(EK)による細胞からのCa^2+ 排出について検討した. 1)Len-EKは濃度依存的(10^-8 M-10^-6 M)に^^45 Ca^2+ の排出を促進した. この排出促進はオピオイド受容体拮抗薬であるナロキソンにより抑制された. 2)Leu-EKは[Ca^2+ ]i, ^^45 Ca^2+ 取り込み, カテコールアミン分泌, cAMPレベル, cGMPレベルに影響しなかった. 3)Leu-EKによる^^45 Ca^2+ 排出促進は, 細胞外液Na^+ の除去により阻害されたが, 細胞外液Ca^2+ の除去によって影響されなかった. 以上の成績から, エンケファリンは細胞外液Na^+ に依存した機構によりCa^2+ 排出を促進することが明らかとなった. このことは, 刺激分泌連関によりカテコールアミンと共に分泌されたオピオイドペプチドが副腎クロマフィン細胞の興奮を定常状態へと回復させる可能性を示唆するものである. |
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ISSN: | 0015-5691 |