NOによる膵β細胞[Ca^2+ ]_i のグルコース依存性調節

本研究では, 膵ラ氏島におけるNOの生理的役割の解明を目的として, 単離ラット膵β細胞の[Ca^2+ ]_i に対するNOの作用を検討した. Wistar系雄性ラット(9-12週齢)の膵臓からコラゲナーゼ消化法により単離したβ細胞を1-2日間初代培養した後, 細胞にfura 2を負荷しArgus 50/CA Systemを用いて[Ca^2+ ]_i を測定した. NOドナーであるNOC-7は, 2.8mMグルコース存在下ではβ細胞の[Ca^2+ ]_i に対して何の作用も示さなかった. 一方, β細胞刺激濃度である7mMグルコース存在下では, NOC-7はβ細胞の[Ca^2+ ]_i を上昇さ...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2000, Vol.115 (1), p.85-85
Hauptverfasser: 石川智久, 杉野二三, 金子雪子, 仲田佐知子, 石井邦雄, 中山貢一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 膵ラ氏島におけるNOの生理的役割の解明を目的として, 単離ラット膵β細胞の[Ca^2+ ]_i に対するNOの作用を検討した. Wistar系雄性ラット(9-12週齢)の膵臓からコラゲナーゼ消化法により単離したβ細胞を1-2日間初代培養した後, 細胞にfura 2を負荷しArgus 50/CA Systemを用いて[Ca^2+ ]_i を測定した. NOドナーであるNOC-7は, 2.8mMグルコース存在下ではβ細胞の[Ca^2+ ]_i に対して何の作用も示さなかった. 一方, β細胞刺激濃度である7mMグルコース存在下では, NOC-7はβ細胞の[Ca^2+ ]_i を上昇させた. この[Ca^2+ ]_i 上昇作用は, 可溶性グアニル酸シクラーゼ阻害薬であるODQにより消失した. また, 膜透過性cGMP誘導体である8-Br-cGMPも, 7mMグルコース存在下で同様な[Ca^2+ ]_i 上昇反応を惹起した.
ISSN:0015-5691