Foot shock stress後のモルヒネ鎮痛減弱作用
種々のストレス負荷により痛覚閾値が上昇し, ストレス負荷により活性化される内因性疼痛抑制機構の存在が明らかにされている. 一方, モルヒネ鎮痛に対する耐性形成は, ストレス負荷により抑制されると報告されているが, モルヒネの鎮痛作用に及ぼすストレス負荷の影響については明らかでない. そこで我々は, モルヒネ皮下投与による鎮痛作用および血中モルヒネ濃度に及ぼすfoot shock stress(FS)の影響をラットを用いて検討した. さらに, モルヒネの脳室内および脊髄くも膜下腔内投与による鎮痛作用に及ぼすFSの影響を比較検討した. 〔方法〕実験には雄性Sprague-Dawleyラットを使用し...
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Zusammenfassung: | 種々のストレス負荷により痛覚閾値が上昇し, ストレス負荷により活性化される内因性疼痛抑制機構の存在が明らかにされている. 一方, モルヒネ鎮痛に対する耐性形成は, ストレス負荷により抑制されると報告されているが, モルヒネの鎮痛作用に及ぼすストレス負荷の影響については明らかでない. そこで我々は, モルヒネ皮下投与による鎮痛作用および血中モルヒネ濃度に及ぼすfoot shock stress(FS)の影響をラットを用いて検討した. さらに, モルヒネの脳室内および脊髄くも膜下腔内投与による鎮痛作用に及ぼすFSの影響を比較検討した. 〔方法〕実験には雄性Sprague-Dawleyラットを使用した. FSは, Relay/1100を用い, 刺激条件を1.0mA, 0.2Hz, 1秒間とし, 15分間電気刺激した. 対照群はFSを負荷せず, 刺激装置の中に15分間放置した. FS終了15または90分後にそれぞれモルヒネ(10mg/kg)を皮下投与した. モルヒネの脳室内(30mg/rat)およびくも膜下腔内(10mg/rat)投与はFS終了15分後に行った. 鎮痛検定は後肢加圧法(最大負荷重量:1500g)に従い, モルヒネ投与後の痛覚閾値の経時変化を15分間隔で120分間測定した. 鎮痛作用は, 痛覚閾値の経時変化, 最大痛覚閾値上昇および鎮痛曲線下面積(AUC)を指標とした. 血中モルヒネ濃度はHPLC-ECD法に従って定量した. 〔結果および考察〕FS終了15分後のモルヒネ皮下投与による鎮痛作用は有意に減弱されたが, FS終了90分後のそれは対照群と同程度であった. FSによるモルヒネ鎮痛減弱時の血中モルヒネ濃度は, 対照群のそれと差はなく, 血中モルヒネ濃度に及ぼすFSの影響は認められなかった. モルヒネ脳室内投与による鎮痛作用はFSの影響を受けなかったが, くも膜下腔内投与によるそれはFSにより有意に減弱した. 以上の結果より, FSにより活性化される内因性抗オピオイド機構が脊髄に存在する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |