カタラーゼ・ペルオキシド活性によるルミノール化学発光特性について

〔目的〕分析化学的研究においてルミノールは最も優れた化学発光インジケーターであり, その応用範囲は多岐にわたっている. しかし, ルミノールの化学発光は種々の物質で触媒され, 生化学的分析上, 生体内に存在する鉄錯体, ヘミン, 微量酸化遷移金属などとの非特異的反応挙動に対してとくに注意を要する. また, これらのメカニズムについても不明な点が多い. 我々は, 生体内ラジカル検出を目指したオプティカル・バイオセンサーのインジケーター試薬としてルミノールを用いてきたことから, 興味の対象は, 生体内の金属含有酵素との相互作用にある. 本研究では, ルミノール/H_2 O_2 化学発光がカタラーゼおよびキサンチンオキシダーゼ存在下でどのような化学発光挙動を呈するかを比較検討し, ルミノールの化学発光特性を明かにすることを目的とした.