間葉系細胞のマスター遺伝子と骨形成

生体を構成している各組織は, 個々の細胞が細胞外からのシグナルを受けて秩序だった増殖, 分化および自発的な細胞死(アポトーシス)を引き起こすことにより形成される. この様にして形成された筋肉, 骨, 血液などの各組織は, 形態的にも機能的にも大きく異なるものであるが, これらは共通の細胞よりそれぞれの細胞への分化の方向付け(コミットメント)という重要な事象を経て生じてきたものである. 近年の分子生物学的な実験法の進歩に伴い, 細胞分化の研究において遺伝子レベルでの解析が盛んに行われるようになり, 1987年Davisらによって筋芽細胞への分化を決定づける遺伝子MyoD(Cell 51, 987...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1999-09, Vol.114 (3), p.200-200
Hauptverfasser: 藤田隆司, 小井田雅夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:生体を構成している各組織は, 個々の細胞が細胞外からのシグナルを受けて秩序だった増殖, 分化および自発的な細胞死(アポトーシス)を引き起こすことにより形成される. この様にして形成された筋肉, 骨, 血液などの各組織は, 形態的にも機能的にも大きく異なるものであるが, これらは共通の細胞よりそれぞれの細胞への分化の方向付け(コミットメント)という重要な事象を経て生じてきたものである. 近年の分子生物学的な実験法の進歩に伴い, 細胞分化の研究において遺伝子レベルでの解析が盛んに行われるようになり, 1987年Davisらによって筋芽細胞への分化を決定づける遺伝子MyoD(Cell 51, 987-1000, 1987), 1994年Tontonozらによって脂肪細胞への分化を決定づける遺伝子PPARγ(Cell 79, 1147-1156, 1994), さらに1997年には骨芽細胞への分化を決定づける遺伝子Cbfa1(Cell 89, 747-754, 1997; Cell 89, 755-764, 1997)が同定された.
ISSN:0015-5691