口腔内組織微小循環動態の神経性調節

三叉神経領域の求心性神経興奮は, 歯髄を含む口腔組織微小循環系血管反応を引き起こす. このような神経原性血管反応のメディエーターとして, カルシトニン遺伝子関連ペプチドやサブスタンスP, あるいは一酸化窒素(NO)などが考えられている. 歯髄には内因性の血管反応制御機構が存在する. 交感神経の興奮に伴ない神経ペプチドの遊離が抑制を受け, これによって血管反応が調節されるのはその例である. また, 歯髄で合成されたNOもこのような調節に与っている可能性がある. 特に, 炎症反応に連携して生成される活性酸素フリーラジカルとNOとの関連性を推理することは実に興味深い. このような観点から, 神経原性...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1999-04, Vol.113 (4), p.219-225
Hauptverfasser: 岡部栄逸朗, 塗々木和男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:三叉神経領域の求心性神経興奮は, 歯髄を含む口腔組織微小循環系血管反応を引き起こす. このような神経原性血管反応のメディエーターとして, カルシトニン遺伝子関連ペプチドやサブスタンスP, あるいは一酸化窒素(NO)などが考えられている. 歯髄には内因性の血管反応制御機構が存在する. 交感神経の興奮に伴ない神経ペプチドの遊離が抑制を受け, これによって血管反応が調節されるのはその例である. また, 歯髄で合成されたNOもこのような調節に与っている可能性がある. 特に, 炎症反応に連携して生成される活性酸素フリーラジカルとNOとの関連性を推理することは実に興味深い. このような観点から, 神経原性血管反応の一部を構成する求心性神経誘発性の口腔内組織微小血管応答カスケードを理解することは, 治療学的戦略の新しい薬理学的構想の触発につながるかもしれない.
ISSN:0015-5691