欠失変異体を用いたPSD95のNMDA受容体チャンネル活性に及ぼす効果の解析
PSD-95は興奮性シナプス後膜に存在する細胞膜骨格蛋白質の一つでありNMDA受容体やカリウムチャンネルと結合し, それらを集合化することが報告されている. 我々はPSD-95のε2/ζ1NMDA受容体チャンネルヘの効果を調べた結果, グルタミン酸に対する感受性を低下させること, TPAによるチャンネル活性化を抑制することを見い出した. 今回, PSD-95によるNMDA受容体チャンネルのグルタミン酸感受性低下作用に関してその作用機序を明らかにする目的で, NMDA受容体及びPSD-95の欠失変異体をアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させNMDA受容体チャンネル活性への影響を解析した. PSD...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1999, Vol.113 (3), p.236-236 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | PSD-95は興奮性シナプス後膜に存在する細胞膜骨格蛋白質の一つでありNMDA受容体やカリウムチャンネルと結合し, それらを集合化することが報告されている. 我々はPSD-95のε2/ζ1NMDA受容体チャンネルヘの効果を調べた結果, グルタミン酸に対する感受性を低下させること, TPAによるチャンネル活性化を抑制することを見い出した. 今回, PSD-95によるNMDA受容体チャンネルのグルタミン酸感受性低下作用に関してその作用機序を明らかにする目的で, NMDA受容体及びPSD-95の欠失変異体をアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させNMDA受容体チャンネル活性への影響を解析した. PSD-95はε2サブユニットのC末端に存在するE-T/S-X-Vモチーフに結合することから, この4アミノ酸を欠失したNMDA受容体の変異体を作製して活性を比較したところ, PSD-95が共存してもNMDA受容体チャンネルのグルタミン酸対する感受性は変化しなかった. PSD-95のPDZ1, PDZ2, PDZ3, SH3, グアニル酸キナーゼ様(GK)ドメインの欠失変異体を用いた検討では, PDZ3, SH3, GKドメインの欠失変異体が野生株PSD-95と同様のグルタミン酸に対する感受性低下を引き起こしたのに対し, PDZ2ドメイン及びPDZ1とPDZ2の両方を欠く変異体ではグルタミン酸に対する感受性の低下がみられなかった. 以上の結果は, PSD-95によるNMDA受容体チャンネルのグルタミン酸感受性低下には, PSD-95のPDZ2ドメインとNMDA受容体のC末端の結合が必須であることを示している. |
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ISSN: | 0015-5691 |