新規抗潰瘍薬T-593のラット低温焼灼胃潰瘍の治癒作用について

ラット低温焼灼胃潰瘍モデルを用いて新規抗潰瘍薬T-593の潰瘍部位における組織修復に及ぼす影響をファモチジンと比較検討した. 実体顕微鏡による評価では, T-593は30mg/kgの1日2回経口投与により潰瘍の治癒を有意に促進し, 投与開始2, 4および8週目における潰瘍の縮小率は同投与量のファモチジンとほぼ同程度であった. 組織学的評価では, 新生血管に対してファモチジンは作用を示さなかったが, T-593は投与2週目に新生血管数の有意な増加を, 投与8週目に有意な減少を示した. また, 炎症性細胞浸潤に対してファモチジンは投与4週目に浸潤の程度を有意に軽減したが, 投与2および8週目には明...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1999, Vol.113 (3), p.167-176
Hauptverfasser: 土井康子, 森由紀夫, 浦田紀子, 水尾美登利, 庄司美保子, 丸淵茂樹, 荒井博敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ラット低温焼灼胃潰瘍モデルを用いて新規抗潰瘍薬T-593の潰瘍部位における組織修復に及ぼす影響をファモチジンと比較検討した. 実体顕微鏡による評価では, T-593は30mg/kgの1日2回経口投与により潰瘍の治癒を有意に促進し, 投与開始2, 4および8週目における潰瘍の縮小率は同投与量のファモチジンとほぼ同程度であった. 組織学的評価では, 新生血管に対してファモチジンは作用を示さなかったが, T-593は投与2週目に新生血管数の有意な増加を, 投与8週目に有意な減少を示した. また, 炎症性細胞浸潤に対してファモチジンは投与4週目に浸潤の程度を有意に軽減したが, 投与2および8週目には明らかな軽減を示さなかった. 一方, T-593は投与2および4週目に炎症性細胞浸潤の程度を有意に軽減し, 投与8週目には軽減傾向を示した.
ISSN:0015-5691