モルモット啼声反応による疼痛関連行動評価法
痛みという感覚は, 自己に何らかの危害が加わっている事を教えてくれる重要な感覚であると同時に不快にさせる憂欝な感覚でもある. したがって, 痛みは「組織の実質的または潜在的な傷害に伴う不快な感覚および情動体験, あるいはこのような傷害を言い表す言葉を使って述べられる同様な体験」と定義される(1). すなわち, 痛みとは個々の主観性の強い感覚であると言える. このことが言葉によって具体的表現ができない実験動物を用いた痛み実験の場では, 大きな問題となる. しかしながら, 痛みを起こす刺激(侵害刺激)に対する実験動物の多くの反応は特異的であり, また単純かつ明白であるのでその反応を客観的に評価でき...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1998/12/01, Vol.112(6), pp.363-370 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 痛みという感覚は, 自己に何らかの危害が加わっている事を教えてくれる重要な感覚であると同時に不快にさせる憂欝な感覚でもある. したがって, 痛みは「組織の実質的または潜在的な傷害に伴う不快な感覚および情動体験, あるいはこのような傷害を言い表す言葉を使って述べられる同様な体験」と定義される(1). すなわち, 痛みとは個々の主観性の強い感覚であると言える. このことが言葉によって具体的表現ができない実験動物を用いた痛み実験の場では, 大きな問題となる. しかしながら, 痛みを起こす刺激(侵害刺激)に対する実験動物の多くの反応は特異的であり, また単純かつ明白であるのでその反応を客観的に評価できれば痛みに関する動物実験は十分可能である. 特に意識下の動物を用いた場合は, その行動が痛みに関連した情動成分を主観的感覚として評価できるので有用である. ここでは, 動物の疼痛関連行動の一つで古くから鎮痛薬の作用機序解明に用いられている啼声反応(vocalization response)(2, 3)を応用したモルモット啼声反応法について, 観察記録および評価法を中心に述べる. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.112.363 |