フォルボールエステルによるマウス表皮由来JB6細胞p53蛋白脱リン酸化機序について

癌抑制遺伝子産物であるp53は, 核リン酸化蛋白であり, とりわけ野生型p53は, 高度にリン酸化された形で細胞周期G1を延長させることにより細胞増殖抑制作用を示す. 今回我々は, マウス表皮由来JB6細胞を用いた^^32 P-orthophosphate標識後の免疫沈降法により, リン酸化p53蛋白に対する強力な腫瘍プロモーターである12-O-tetra-decanoylphorbor-13-acetate(TPA)の作用を検討した. その結果, TPA16nM(10ng/ml)を細胞に3時間作用させることにより, リン酸化p53蛋白発現量は76.5%減少したが, TPAの作用時間が, 15...

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Hauptverfasser: 中村一基, 篠塚和正, 山口優, 籠田智美, 権寧美, Nancy H. Colburn, 国友勝
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌抑制遺伝子産物であるp53は, 核リン酸化蛋白であり, とりわけ野生型p53は, 高度にリン酸化された形で細胞周期G1を延長させることにより細胞増殖抑制作用を示す. 今回我々は, マウス表皮由来JB6細胞を用いた^^32 P-orthophosphate標識後の免疫沈降法により, リン酸化p53蛋白に対する強力な腫瘍プロモーターである12-O-tetra-decanoylphorbor-13-acetate(TPA)の作用を検討した. その結果, TPA16nM(10ng/ml)を細胞に3時間作用させることにより, リン酸化p53蛋白発現量は76.5%減少したが, TPAの作用時間が, 15分以下の場合には, 僅かな減少を示すのみであった. このTPAによるリン酸化p53蛋白発現量の低下は, 蛋白キナーゼ阻害薬である[1-(5-isoquinoline sulfonyl)-2-methylpiperazine dihydrochloride](H7)10^-5 Mの共存下において完全に阻害され, またH7 10^-5 M単独の存在下においてリン酸化p53蛋白の発現量は3.5倍に増加した.
ISSN:0015-5691