胃壁細胞における内向き整流カリウムチャネルKir4.1/K_AB -2の発現
胃の壁細胞(Parietal Cell)は細胞膜上にH^+ /K^+ -ATPaseをもち, 胃酸の分泌をおこなっていることが知られている. H^+ /K^+ -ATPaseによるH^+ 分泌の際, 細胞内にはK^+ が取り込まれる. 取り込まれたK^+ は壁細胞細胞膜に存在するカリウムチャネルによって細胞外に排出されていると考えられているが, どのような種類のカリウムチャネルが関与しているかの報告はほとんど無く, その分子の同定も行われていない. 我々はRT-PCR法及び特異抗体を用いた免疫染色法によって胃壁細胞に内向き整流カリウムチャネルのKir4.1/K_AB -2が発現していることを見...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1998, Vol.112 (4), p.87-87 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 胃の壁細胞(Parietal Cell)は細胞膜上にH^+ /K^+ -ATPaseをもち, 胃酸の分泌をおこなっていることが知られている. H^+ /K^+ -ATPaseによるH^+ 分泌の際, 細胞内にはK^+ が取り込まれる. 取り込まれたK^+ は壁細胞細胞膜に存在するカリウムチャネルによって細胞外に排出されていると考えられているが, どのような種類のカリウムチャネルが関与しているかの報告はほとんど無く, その分子の同定も行われていない. 我々はRT-PCR法及び特異抗体を用いた免疫染色法によって胃壁細胞に内向き整流カリウムチャネルのKir4.1/K_AB -2が発現していることを見い出した. また, 単離した壁細胞を用いて免疫染色をおこなった結果, Kir4.1/K_AB -2のクラスタニング(集積)に関与しているアンカー蛋白質のSAP97も共発現していることを見い出した. 我々の研究により, 網膜の主要なグリア細胞であるミュラー細胞にはKir4.1/K_AB -2がSAP97と共発現しておりK^+ の輸送をおこなっていることが明らかとなっているが, 壁細胞においてもKir4.1/K_AB -2がK^+ 輸送に関与して, H^+ /K^+ -ATPaseによって細胞内に取り込まれたK^+ を細胞外に排出する機構の一部を担っている可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |