Bリンパ球細胞におけるIP_3 受容体の機能解析

Bリンパ球細胞においては, B細胞受容体刺激に応じて細胞内Ca^2+ 濃度上昇を伴う初期応答が観察される. DT-40 lymphoma B cellは細胞内Ca^2+ ストア膜上に3種類のIP_3 受容体を持ち, 各受容体サブタイプを遺伝子相同組換えによりノックアウトした細胞を作成することが可能である. 今回我々は, IP_3 受容体3型のみを発現する細胞(T3細胞)と3種類の受容体を持った野生型の細胞(WT細胞)において, 細胞内Ca^2+ 濃度測定を行うと共に, 低親和性Ca^2+ 蛍光指示薬であるFuraptraを用いた細胞内Ca^2+ ストア内腔のリアルタイムイメージングを行うことに...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1998, Vol.112 (4), p.65-65
Hauptverfasser: 宮川知也, 山澤徳志子, 廣瀬謙造, 前田明人, 黒崎知博, 飯野正光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Bリンパ球細胞においては, B細胞受容体刺激に応じて細胞内Ca^2+ 濃度上昇を伴う初期応答が観察される. DT-40 lymphoma B cellは細胞内Ca^2+ ストア膜上に3種類のIP_3 受容体を持ち, 各受容体サブタイプを遺伝子相同組換えによりノックアウトした細胞を作成することが可能である. 今回我々は, IP_3 受容体3型のみを発現する細胞(T3細胞)と3種類の受容体を持った野生型の細胞(WT細胞)において, 細胞内Ca^2+ 濃度測定を行うと共に, 低親和性Ca^2+ 蛍光指示薬であるFuraptraを用いた細胞内Ca^2+ ストア内腔のリアルタイムイメージングを行うことによりIP_3 受容体機能の違いを調べた. Fura2を取り込ませた細胞においてB細胞受容体刺激を行うと, WT細胞では数分間持続するCa^2+ オシレーションが観察されるのに対して, T3細胞では一過性のCa^2+ 濃度上昇が起こるのみであった. Ca^2+ ストア内腔イメージングによる, IP_3 に依存した細胞内ストアからCa^2+ 放出を見たところ, WT細胞に比較してT3細胞ではIP_3 感受性が低いことがわかった. このようなIP_3 受容体3型の機能の特徴が, WT細胞とT3細胞間のCa^2+ 応答性や細胞機能の違いに関わっていると考えられる.
ISSN:0015-5691