肺に浸潤した好酸球数の測定方法についての検討
【目的】実験的アレルギー性気管支喘息モデルにおける肺への浸潤好酸球数の定量的測定方法としてBALが繁用されているが, 本法では気道管腔側に漏出した細胞が回収されるにすぎない. 本研究ではEPO assayによる組織内好酸球数の測定をBALと比較検討した. 【方法】モルモットにSephadexG-200を静脈内投与した18hr後もしくはovalbumin(OA)+Al(OH)_3 およびOAの反復吸入により作成した喘息モデルの反応惹起5時間後にいずれも肺を摘出し, 右下葉はホモジナイズ後EPO assayの試料とし, 残りの肺はBALを行った. EPO assayは, Brの存在もしくは非存在下...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.110 (4), p.100-100 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】実験的アレルギー性気管支喘息モデルにおける肺への浸潤好酸球数の定量的測定方法としてBALが繁用されているが, 本法では気道管腔側に漏出した細胞が回収されるにすぎない. 本研究ではEPO assayによる組織内好酸球数の測定をBALと比較検討した. 【方法】モルモットにSephadexG-200を静脈内投与した18hr後もしくはovalbumin(OA)+Al(OH)_3 およびOAの反復吸入により作成した喘息モデルの反応惹起5時間後にいずれも肺を摘出し, 右下葉はホモジナイズ後EPO assayの試料とし, 残りの肺はBALを行った. EPO assayは, Brの存在もしくは非存在下に, 3, 3´, 5, 5´tetramethylbenzidineをH_2 O_2 存在下で発色させることにより行い, 別にPercoll密度勾配遠心法により精製した好酸球を用いて得た検量線から細胞数を算出した. 【結果】(1)Toriton-X100処置により破壊した精製好酸球は, 細胞数依存的にEPO活性の上昇を示し, これをEPOassayの検量線とした. (2)BALnuid中の好酸球数は正常モルモットで3.3±2.4x10^6 cells/lung, Sephadex G-200処置群では11.6±5.4x10^6 cells/lungであったが, assayではそれぞれ27.8±13.5および236.7±61.2x10^6 cells/lungであった. (3)喘息モデルにおいて非感作および感作群の細胞数を比較するとBALでは両群間で差はみられなかったが, EPO assayで求めたそれでは感作群で約2倍の上昇が認められた. 【結論】BALでは肺に浸潤した好酸球の数%しか回収できないが, ホモジナイズした肺を用いるEPO assayは肺全体の好酸球数の測定が可能であり, さらにBALでは回収できない部位に浸潤した好酸球をも検出できることが明らかとなった. |
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ISSN: | 0015-5691 |