抑制性受容体の機構;Gタンパク質
抑制性受容体へのリガンドの結合により, Giに結合するGDPがGTPに置換され, GiはGiαとβγサブユニットに解離する. このβγがアデニル酸シクラーゼを抑制することは, 私共, 及び堅田ら, などにより報告された. 本演題では, 精製ラット脳アデニル酸シクラーゼ(AC)におけるGタンパク質βγサブユニットによる抑制機構について報告する. 精製したβγサブユニットは精製AC活性を最高85%抑制した(IC50;0.7nMβγ). βγにより抑制された状態のAC(実測70%抑制)を密度勾配遠心により分離し, 酵素とβγサブユニットのcomplexを得た. このcomplexは, immunob...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (2), p.1078-1078 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 抑制性受容体へのリガンドの結合により, Giに結合するGDPがGTPに置換され, GiはGiαとβγサブユニットに解離する. このβγがアデニル酸シクラーゼを抑制することは, 私共, 及び堅田ら, などにより報告された. 本演題では, 精製ラット脳アデニル酸シクラーゼ(AC)におけるGタンパク質βγサブユニットによる抑制機構について報告する. 精製したβγサブユニットは精製AC活性を最高85%抑制した(IC50;0.7nMβγ). βγにより抑制された状態のAC(実測70%抑制)を密度勾配遠心により分離し, 酵素とβγサブユニットのcomplexを得た. このcomplexは, immunoblotting及び酵素活性の抑制作用による定量により, AC1モルに対しβγサブユニットが1.8-2.0モル結合していた. しかし, 2モルのβγのうち1分子の結合が抑制作用の発現に必須であり, 2分子めの結合の役割は不明である. 抑制作用はGsαやカルモデュリンには依存していなかった. しかし, 精製したACには抗Gsα抗体と反応するタンパク分子がAC1分子当り0.06-0.08モル結合していた. このGsαはβγによるACの抑制には関与していない結果を得た. βγによる抑制はこのcomplexの希釈により解除され, 再度添加されたβγにより酵素活性は約15%にまで再び抑制された. ACとβγが可逆的にcomplexを形成することにより, βγはACを可逆的に直接抑制することが強く示唆された. (本研究はJJP 69, 239~250(1995)に概ね報告された) |
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ISSN: | 0015-5691 |