マウス巨核球細胞のアルカリ化反応
血小板産生に関与する骨髄巨核球細胞の細胞外pH変化に対する反応について検討したので報告する. 巨核球細胞はBALB/cマウス大腿骨骨髄より採取し, 150mM KCIを含むピペット内液を用いたニスタチン穿孔パッチクランプ法にて膜電位固定下, 膜電流を測定した. 細胞外pH(アルカリ側)はN-tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic acid(TAPS)を用いて調整し, マルチバレル法により時定数約10msでステップ状に変化させた. 保持電位-40mVでpHを7.4からアルカリ側に変化させると持続性の外向き電流が惹起された. 一方酸性側のp...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (2), p.1076-1076 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血小板産生に関与する骨髄巨核球細胞の細胞外pH変化に対する反応について検討したので報告する. 巨核球細胞はBALB/cマウス大腿骨骨髄より採取し, 150mM KCIを含むピペット内液を用いたニスタチン穿孔パッチクランプ法にて膜電位固定下, 膜電流を測定した. 細胞外pH(アルカリ側)はN-tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic acid(TAPS)を用いて調整し, マルチバレル法により時定数約10msでステップ状に変化させた. 保持電位-40mVでpHを7.4からアルカリ側に変化させると持続性の外向き電流が惹起された. 一方酸性側のpH(PIPES調整)では全く影響が見られなかった. 同電流はpH8.0付近から観察され, pH10.0でほぼ最大値に達した. 同電流は外液K^+ 濃度に対する感受性が高く, 電流-電圧曲線から得られた逆転電位は[K^+ ]_o が5mMおよび50mMの時, K^+ の平衡電位とほぼ一致した. また同電流は外液中に投与したtetraethylammonium, 4-aminopyridineおよびstreptomycin等のK^+ チャンネル阻害薬によって抑制された. 以上より骨髄巨核球細胞には外液液性のアルカリ化に反応してK^+ 透過性を上昇させる機構が存在することが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |