ゼブラフィッシュquaking-1 cDNAのクローニングと発生期における分布の検討

ミエリン形成不全となるマウス系統であるQuakingの原因遺伝子と考えられるQuaking-1の相同遺伝子を, ゼブラフィッシュ初期胚より単離した. ゼブラフィッシュquaking-1は全長1.8kbのcDNAで383アミノ酸からなるポリペプチドをコード, アミノ酸でマウスと73%の相同性を示した. RNA結合能を示唆されるKHドメインを分子の中程に有し, マウスQuaking-1のKHドメインのアミノ酸配列と完全に一致した. Whole mount is situ hybridizationにより, 分布を調べた. 受精直後より母性遺伝子として存在し, 胞胚期を通して一様に分布する. 原腸陥...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (2), p.1053-1053
Hauptverfasser: 田中秀和, 金哲煕, 村岡修, 三木直正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ミエリン形成不全となるマウス系統であるQuakingの原因遺伝子と考えられるQuaking-1の相同遺伝子を, ゼブラフィッシュ初期胚より単離した. ゼブラフィッシュquaking-1は全長1.8kbのcDNAで383アミノ酸からなるポリペプチドをコード, アミノ酸でマウスと73%の相同性を示した. RNA結合能を示唆されるKHドメインを分子の中程に有し, マウスQuaking-1のKHドメインのアミノ酸配列と完全に一致した. Whole mount is situ hybridizationにより, 分布を調べた. 受精直後より母性遺伝子として存在し, 胞胚期を通して一様に分布する. 原腸陥入にともなう中胚葉形成の時期には全体の発現量は減少して, 尾原器, 体幹部の脊索に接する側正中中胚葉, 頭原器にそれぞれ限局してくる. 続く体節形成期に入ると, 側正中中胚葉から形成中の各体節に発現が広がる. 同時期に頭部では, 中胚葉組織に加えて, 中枢神経系ならびに神経提と考えられる部分に発現する. このように, quaking-1は脊椎動物によく保存されており, 初期発生において, 神経系ミエリンの形成のみならず, 体節, 尾を中心とした, 中胚葉系組織の形成にも関与していることが示唆された.
ISSN:0015-5691