麻黄附子細辛湯の痛覚過敏抑制作用における下行性モノアミン作動神経系の関与

【目的】反復低温ストレス(RCS)負荷動物において麻黄附子細辛湯は抗侵害受容効果を示す. この作用に下行性モノアミン作動神経系が関与するかどうか検討した. 【方法】実験には雄性SD系ラット(7週令)を用いた. 麻黄附子細辛湯としてTJ-127を用いた. RCSの負荷は, 10:00-16:30の間は30分毎に飼育環境温度を24℃と4℃に交互に変化させ, 16:30-10:00の間は4℃とし, これを3日間繰返した. TJ-127は5%アラビアゴムに懸濁して300mg/kgの用量で経口投与した. 神経毒と受容体拮抗薬は, 無麻酔下にL3-L4椎骨間の腰椎穿刺により10μlの容量で脊髄クモ膜下腔内...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (2), p.1048-1048
Hauptverfasser: 山崎奈穂子, 佐藤一哉, 長澤哲郎, 倉石泰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】反復低温ストレス(RCS)負荷動物において麻黄附子細辛湯は抗侵害受容効果を示す. この作用に下行性モノアミン作動神経系が関与するかどうか検討した. 【方法】実験には雄性SD系ラット(7週令)を用いた. 麻黄附子細辛湯としてTJ-127を用いた. RCSの負荷は, 10:00-16:30の間は30分毎に飼育環境温度を24℃と4℃に交互に変化させ, 16:30-10:00の間は4℃とし, これを3日間繰返した. TJ-127は5%アラビアゴムに懸濁して300mg/kgの用量で経口投与した. 神経毒と受容体拮抗薬は, 無麻酔下にL3-L4椎骨間の腰椎穿刺により10μlの容量で脊髄クモ膜下腔内投与した. 侵害受容閾値は後肢圧刺激法により測定した. 【結果】TJ-127によるRCS性痛覚過敏抑制作用はセロトニン神経毒5,7-dihydroxytryptamine(5,7-DHT, 60μg)の4日間前処置により有意に減弱した. また, 5-HT_1/2 受容体拮抗薬のmethysergide(30nmol, 5分前処置), cyproheptadine(3nmol, 30分前処置), methiothepine(3nmol, 30分前処置)もTJ-127の抗侵害受容作用を有意に抑制した. 一方, カテコラミン神経毒 6-hydroxydopamine(6-OHDA, 60μg)の4日前処置によりTJ-127の抗侵害受容作用は作用のピークである30分値のみ軽度に減弱した. α受容体拮抗薬phentolamine(100nmol, 5分前処置)は, TJ-127の抗侵害受容作用を抑制しなかった. 【考察】以上の成績からTJ-127の抗侵害受容作用には少なくとも一部下行性セロトニン神経系が関与するが, 下行性ノルアドレナリン神経系の関与は少ないものと示唆される.
ISSN:0015-5691