ヒスタミンH_1 受容体遺伝子ノックアウトマウスにおけるセロトニン遊離亢進
我々はH1受容体の中枢での役割を明らかにするために, 九大渡辺武らにより作成されたH1受容体ノックアウトマウスを用いて, 行動薬理学的な解析をおこない, さらに脳内モノアミン含量と遊離を測定した. 3分ごとの自発運動量と立ち上がりの回数を30分間測定したところ, -/-マウスは自発運動量と立ち上がり回数ともに有意に+/+より少なかった. Elevated T-maze testでは-/-マウスは壁のあるT迷路に移るまでの潜時が有意に長かった. ストレスのある環境下では-/-マウスの動きは有意に減少した. Resident-Intruder Aggression Testにおいて-/-マウスは+...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (1), p.72-72 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々はH1受容体の中枢での役割を明らかにするために, 九大渡辺武らにより作成されたH1受容体ノックアウトマウスを用いて, 行動薬理学的な解析をおこない, さらに脳内モノアミン含量と遊離を測定した. 3分ごとの自発運動量と立ち上がりの回数を30分間測定したところ, -/-マウスは自発運動量と立ち上がり回数ともに有意に+/+より少なかった. Elevated T-maze testでは-/-マウスは壁のあるT迷路に移るまでの潜時が有意に長かった. ストレスのある環境下では-/-マウスの動きは有意に減少した. Resident-Intruder Aggression Testにおいて-/-マウスは+/+より有意に攻撃性が低下していた. 脳内モノアミン含量の測定では, -/-マウスの大脳皮質・海馬においてドパミンとその代謝物の増加, セロトニン代謝回転率の亢進を認め, さらに遊離試験において-/-マウスは前脳からのセロトニンの遊離が亢進していた. -/-マウスの行動において日内リズムの異常, 新規環境における探索行動の減少, 攻撃性の減弱を認めさらにセロトニン遊離の増加が観察されている. セロトニンニューロンの神経伝達の増加は攻撃性を減少させることが知られており, -/-マウスの行動異常の一部はこのような他のニューロン系を介して起きていると推察される. |
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ISSN: | 0015-5691 |