薬用人参サポニン, ginsenoside Rb_1 , Rg_2 , Rg_3 のモルモット腸管収縮および副腎髄質細胞からのカテコールアミン分泌に対する影響
〔目的〕 私たちは, すでに牛副腎髄質細胞において, 1)薬用人参サポニンがアセチルコリン(ACh)による細胞からのカテコールアミン(CA)分泌を強く抑制すること, 2)その抑制はトリオール系サポニンがジオール系サポニンよりかなり強いこと, 3)トリオール系サポニンのginsenoside Rg_2 (GRg_2 )を用いた実験から, サポニンによるCA分泌抑制はニコチン(Nic)性ACh受容体-カチオンチャネルを可逆性に抑制する結果であること(J. Pharmacol. Exp. Ther. 273,629-636,1995);また, 4)GRg_2 はヒスタミン, アンジオテンシンII,...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (1), p.72-72 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕 私たちは, すでに牛副腎髄質細胞において, 1)薬用人参サポニンがアセチルコリン(ACh)による細胞からのカテコールアミン(CA)分泌を強く抑制すること, 2)その抑制はトリオール系サポニンがジオール系サポニンよりかなり強いこと, 3)トリオール系サポニンのginsenoside Rg_2 (GRg_2 )を用いた実験から, サポニンによるCA分泌抑制はニコチン(Nic)性ACh受容体-カチオンチャネルを可逆性に抑制する結果であること(J. Pharmacol. Exp. Ther. 273,629-636,1995);また, 4)GRg_2 はヒスタミン, アンジオテンシンII, ブラジキニン, ニューロテンシン刺激によるCA分泌には影響しないこと(第46回日本薬理学会北部会)を報告した. 今回, ジオール系サポニンginsenoside Rb_1 (GRb_1 ), ginsenoside Rg_3 (GRg_3 )とトリオール系サポニンGRg_2 とオレアノール酸系サポニンginsenoside Ro(GRo)のムスカリン(Mus), ヒスタミン, セロトニン刺激によるモルモット腸管の収縮および副腎髄質細胞からのCA分泌に対する影響を検討した. 〔結果・考察〕 1)モルモット副腎髄質細胞のMus刺激によるCA分泌に対し, GRg_2 , GRb_1 , GRg_3 はいづれも影響しなかった. しかし, GRg_2 はNic刺激による分泌を牛副腎髄質細胞の場合と同様に強く抑制した. 一方, GRb_1 とGRg_3 はNicによる分泌にも効果がなかった. 2)Mus刺激による腸管収縮をGRb_1 およびGRg_3 は抑制したが, GRg_2 およびGRoは影響しなかった. また, ヒスタミン刺激による収縮をGRg_3 が強く抑制, GRoとGRb_1, も少し抑えたがGRg_2 は効果がなかった. 一方, GRg_3 だけがセロトニンによる収縮を抑制した. 以上の結果は, receptor刺激による応答に対し, いづれかの薬用人参サポニンが抑制的に働くことを示しており, この効果が薬用人参の多彩な薬効を反映しているのではないかと考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |