モルモット摘出心臓におけるジアゼパムの陰性変力作用
ジアゼパムを始めとするベンゾジアゼピン誘導体の心機能におよぼす影響に関する報告は, 陽性, 陰性, 二相性あるいは三相性の変化を誘起する等, 一致しないものである. そこで今回, モルモット摘出心臓を用いて, ジアゼパムの心臓への直接効果について検討した. 摘出心臓のランゲンドルフ標本において, ジアゼパム(1-100μM)は濃度依存的な一相性の陰性変力作用, 拍動数の減少, 冠灌流量の増加を示した. このジアゼパムの陰性変力作用は, ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬フルマゼニル(1または10μM)で拮抗されなかった. 右室自由壁条片の等尺性収縮(3.3Hz電気刺激)に対して, ジアゼパムは同様に...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1997, Vol.109 (1), p.65-65 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ジアゼパムを始めとするベンゾジアゼピン誘導体の心機能におよぼす影響に関する報告は, 陽性, 陰性, 二相性あるいは三相性の変化を誘起する等, 一致しないものである. そこで今回, モルモット摘出心臓を用いて, ジアゼパムの心臓への直接効果について検討した. 摘出心臓のランゲンドルフ標本において, ジアゼパム(1-100μM)は濃度依存的な一相性の陰性変力作用, 拍動数の減少, 冠灌流量の増加を示した. このジアゼパムの陰性変力作用は, ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬フルマゼニル(1または10μM)で拮抗されなかった. 右室自由壁条片の等尺性収縮(3.3Hz電気刺激)に対して, ジアゼパムは同様に濃度依存的な一相性の陰性変力作用を示した. この作用もフルマゼニルで拮抗されず, 更にテオフィリン(500μM)あるいはアトロピン(5μM)の前処置でも拮抗されなかった. 単一心室筋細胞において, patch clamp法によりwhole-cell clamp modeで記録できるカルシウム電流を, ジアゼパム(30および100μM)は濃度依存的に抑制した. 以上のことから, ジアゼパムはモルモット摘出心臓において一相性の陰性変力作用を誘起することがわかった. この陰性変力作用には中枢性ベンゾジアゼピン受容体, 内因性アデノシンおよびアセチルコリンの関与の薄いことが示唆される. また, ジアゼパムの陰性変力作用の発現の一部に, カルシウム電流の抑制が関与していると考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |