選択的β_1 , β_2 アドレナリン受容体アゴニストの選択性に関与する受容体部位の解析

βアドレナリン受容体(βAR)はGタンパク質に共役する受容体であり, β_1 , β_2 , β_3 の3種のサブタイプからなっている. それぞれの遺伝子やcDNAが, ヒトをはじめいくつかの種よりとられている1). Gタンパク質共役型受容体は, アミノ末端を細胞外にカルボキシ末端を細胞内にもち, 細胞膜を7回貫通するという共通の構造を持っており, リガンドの結合部位は細胞膜貫通領域(TM)に存在することがβ_2 ARをモデルとして示されている2). β_2 ARの第5番目のTM(TM5)に存在する204番目のアミノ酸Ser^204 とSer^207 は, βアゴニストであるイソプロテレノール...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.108 (suppl), p.75-80
Hauptverfasser: 黒瀬等, 吉川日出雄, 磯ヶ谷昌文, 長尾拓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:βアドレナリン受容体(βAR)はGタンパク質に共役する受容体であり, β_1 , β_2 , β_3 の3種のサブタイプからなっている. それぞれの遺伝子やcDNAが, ヒトをはじめいくつかの種よりとられている1). Gタンパク質共役型受容体は, アミノ末端を細胞外にカルボキシ末端を細胞内にもち, 細胞膜を7回貫通するという共通の構造を持っており, リガンドの結合部位は細胞膜貫通領域(TM)に存在することがβ_2 ARをモデルとして示されている2). β_2 ARの第5番目のTM(TM5)に存在する204番目のアミノ酸Ser^204 とSer^207 は, βアゴニストであるイソプロテレノールのカテコール部分に存在するメタおよびパラ位の水酸基と水素結合している. また, TM3のAsp^113 がイソプロテレノールのアミン基とイオン結合している. これらの結合様式は, Ser^204 とSer^207 をAlaに, またAsp^113 をAsnに置き換えた変異受容体やイソプロテレノールのカテコールの水酸基を水素原子に変えた化合物を用いた解析により明らかにされた.
ISSN:0015-5691