プロテインキナーゼCによるセロトニントランスポーター活性制御機構の解明
[目的]セロトニントランスポーター(SET)は抗うつ薬の作用点であり, 感情障害の発症機序に関与していると考えられている. 我々は, 前回の近畿部会において, SET取り込み能がプロテインキナーゼC(PKC)の活性化剤であるTPA, 及びフォスファターゼ阻害薬のCalyculinA(CLA)により抑制されることから, SET取り込み能がリン酸化, 脱リン酸化により制御されている可能性があることを報告した. 今回, 我々は, PKCによるSET取り込み能の制御機構をより明確にする目的で, SETのPKCによる予想リン酸化部位を変異させたSETcDNAを作製し, SETのPKCによるリン酸化部位の...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | [目的]セロトニントランスポーター(SET)は抗うつ薬の作用点であり, 感情障害の発症機序に関与していると考えられている. 我々は, 前回の近畿部会において, SET取り込み能がプロテインキナーゼC(PKC)の活性化剤であるTPA, 及びフォスファターゼ阻害薬のCalyculinA(CLA)により抑制されることから, SET取り込み能がリン酸化, 脱リン酸化により制御されている可能性があることを報告した. 今回, 我々は, PKCによるSET取り込み能の制御機構をより明確にする目的で, SETのPKCによる予想リン酸化部位を変異させたSETcDNAを作製し, SETのPKCによるリン酸化部位の特定を試みた [方法]site-directed mutagenesisi法を用いて細胞内ドメインに存在する5ケ所のPKC予想リン酸化部位を他のアミノ酸に変異させたSETcDNAを作製し, それぞれを発現ベクターにサブクローニングし, COS-7細胞に形質導入し変異SETを発現させた1PA及びCLA処置による各変異SETの〔^^3 H〕serotonin取り込みに対する効果を検討しSETのPKCによるリン酸化部位の特定を試みた. また, 野生型SETを発現させたCOS-7細胞とセロトニン取り込み能を持つBeWo細胞を用い, TPA及びCLAのSET活性に対する効果に対しEadie-Hofstee解析を行った. [結果と考察]Eadie-Hofstee解析により, いずれの細胞系でもTPA及びCLAのSET活性に対する抑制効果はKm値を変化させず, Vmaxが減少することによることが解かった. また, TPA及びCLA処置によるSET取り込み能の抑制効果は, 今回検討したいずれの変異SETでも消失しなかったりまた, これらの結果により, PKCはSETを直接リン酸化することによりSET活性を制御しているのではないことが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |