実験的高血圧ラットにおける血圧中枢延髄吻側腹外側部アセチルコリン系機能の亢進

血圧中枢延髄吻側腹外側部(RVLM)のアセチルコリン系機能が遺伝的高血圧症である高血圧自然発症ラット(SHR)において亢進していてこれが高血圧の維持に寄与していること, さらに, このアセチルコリン系異常は高血圧発症前のSHRにおいては認められないことを明らかにしてきた. 今回は, 非遺伝的高血圧症であるDOCA-食塩高血圧ラット(DHR)ならびに腎性高血圧ラット(RHR)を用いて, 本アセチルコリン系異常が高血圧症に伴う二次的な現象であるか否かを検討した. DHRは, 一側腎臓摘出を行い, DOCAの皮下注射と食塩水を飲水させることにより, RHRは腎働脈を狭窄することにより作成し, 各々,...

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Hauptverfasser: 福森隆次, 小林緑, 山口宏明, 久保孝夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血圧中枢延髄吻側腹外側部(RVLM)のアセチルコリン系機能が遺伝的高血圧症である高血圧自然発症ラット(SHR)において亢進していてこれが高血圧の維持に寄与していること, さらに, このアセチルコリン系異常は高血圧発症前のSHRにおいては認められないことを明らかにしてきた. 今回は, 非遺伝的高血圧症であるDOCA-食塩高血圧ラット(DHR)ならびに腎性高血圧ラット(RHR)を用いて, 本アセチルコリン系異常が高血圧症に伴う二次的な現象であるか否かを検討した. DHRは, 一側腎臓摘出を行い, DOCAの皮下注射と食塩水を飲水させることにより, RHRは腎働脈を狭窄することにより作成し, 各々, 処置開始3週後に使用した. Choline acetyltransferase(CAT)活性は高速液体クロマトグラフィを使用して, 血漿カテコールアミン量はラジオエンザイムアッセイにより測定した. DHRおよびRHRのRVLM領域において, CAT活性が増大していた. Physostigmine(0.5mg/kg)の腹腔内投与に伴う昇圧反応ならびに血中カテコールアミンレベルの上昇はDHRならびにRHRにおいて増大していた. 以上の結果から, RVLM領域アセチルコリン系機能は高血圧に伴い二次的に亢進ずる, しかし, こうして生じたアセチルコリン系機能の亢進は次に高血圧の維持に寄与していると考えられる.
ISSN:0015-5691