Adrenomedullinおよびcalcitonin gene-related peptideの血管弛緩作用

〔目的〕最近, ヒト褐色細胞腫より発見されたadrenomedullin(AM)は強い降圧作用を示すことが知られており, その一次構造は同じく降圧作用を示すcalcitonin gene-related peptide(CGRP)と類似する. そこで我々は, ラット胸部大動脈とブタ左冠状動脈におけるAMおよびCGRPの収縮張力, Ca蛍光指示薬fura-PE3を用いた細胞内Ca濃度, および酵素抗体法による細胞内cAMP量への影響を調べた. 〔結果〕AMとCGRPはラット胸部大動脈内皮剥離標本のnorepinephrine収縮に対して作用を示さなかった. 一方, 内皮付着標本ではnorepin...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.108 (4), p.73-73
Hauptverfasser: 善本亮, 斉藤みの里, 尾崎博, 唐木英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕最近, ヒト褐色細胞腫より発見されたadrenomedullin(AM)は強い降圧作用を示すことが知られており, その一次構造は同じく降圧作用を示すcalcitonin gene-related peptide(CGRP)と類似する. そこで我々は, ラット胸部大動脈とブタ左冠状動脈におけるAMおよびCGRPの収縮張力, Ca蛍光指示薬fura-PE3を用いた細胞内Ca濃度, および酵素抗体法による細胞内cAMP量への影響を調べた. 〔結果〕AMとCGRPはラット胸部大動脈内皮剥離標本のnorepinephrine収縮に対して作用を示さなかった. 一方, 内皮付着標本ではnorepinephrine収縮を濃度依存的に抑制した. この時内皮細胞内Ca濃度の増加が認められた. AMおよびCGRPによる血管弛緩作用はNO合成阻害剤であるL-NMMAにより抑制されたが, cyclooxygenase inhibitorであるindomethacinでは影響を受けなかった. また, CGRPの競合拮抗剤であるCGRP8-37はCGRPによる血管弛緩作用を抑制したが, AMの血管弛緩作用は抑制しなかった. 一方, 内皮を剥離したブタ左冠状動脈標本においてAMとCGRPは濃度依存的にU46619の収縮を抑制した. この時血管平滑筋細胞内Ca濃度の低下とcAMP量の増加が認められた. AMおよびCGRPの血管弛緩作用はともにCGRP8-37の前処置により抑制された. 〔考察〕AMとCGRPにはそれぞれ血管内皮細胞の異なる受容体に作用して細胞内Ca濃度を増加させ, NOを遊離させる作用と, 血管平滑筋の共通の受容体に作用してcAMPを増加させ, 弛緩を起こす作用があることが示唆された.
ISSN:0015-5691