Tetrahydrobiopterin合成阻害時に産生される活性酸素の細胞障害への関与
〔目的〕一酸化窒素合成酵素(NOS)は補酵素であるtetrahydrobiopterin(BH_4 )濃度が低下している条件下において, NOよりもむしろ活性酸素を産生する. 近年, 我々はNOSより遊離する活性酸素がH_2 O_2 処置により引き起こされる細胞障害を増悪する可能性を推察した. 本研究ではNOSより遊離する活性酸素が細胞障害に関与する可能性を更に明らかにするためにH_2 O_2 およびGSH枯渇剤である1-chloro-2, 4-dinitrobenzene(CDNB)処置による細胞障害モデルを用い, BH_4 合成阻害剤である2, 4-diamino-6-hydroxypyr...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕一酸化窒素合成酵素(NOS)は補酵素であるtetrahydrobiopterin(BH_4 )濃度が低下している条件下において, NOよりもむしろ活性酸素を産生する. 近年, 我々はNOSより遊離する活性酸素がH_2 O_2 処置により引き起こされる細胞障害を増悪する可能性を推察した. 本研究ではNOSより遊離する活性酸素が細胞障害に関与する可能性を更に明らかにするためにH_2 O_2 およびGSH枯渇剤である1-chloro-2, 4-dinitrobenzene(CDNB)処置による細胞障害モデルを用い, BH_4 合成阻害剤である2, 4-diamino-6-hydroxypyrimidine(DAHP)の影響を検討した. 〔方法〕継代数5~8代の培養ウシ血管内皮細胞を使用した. 細胞障害は細胞内からの乳酸脱水素酵素の漏出を指標とした. 活性酸素の測定はルシフェリン誘導体であるMCLAによる化学発光法により行った. 〔結果・結論〕H_2 O_2 およびCDNBによる細胞障害はDAHPの前処置により促進し, この細胞障害の促進はNO合成阻害剤であるN^G -nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)により抑制された. L-NAMEはNOSによる活性酸素生成を抑制することが報告されている. また, bradykininやionomycinの刺激による活性酸素産生はDAHP処置により促進された. 以上の結果から, BH_4 合成阻害時に産生される活性酸素が細胞障害に関与する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |