各種急性膵炎モデルに対する新しいCCK-A

覚醒ラットもしくはマウスを用いて3種類の実験的急性膵炎を作製し, 新しく開発されたコレシストキニン-A受容体拮抗薬KSG-504の急性膵炎に対する作用を生化学的・組織学的に比較検討した. まず覚醒ラットにセルレイン20μg/kgを1時間ごとに4回皮下投与して, 急性膵炎を作製し, KSG-504の予防および治療的効果を検討した. KSG-504前投与(10, 25, 50および100mg/kg, i.v.)はセルレインによる血漿アミラーゼ値およびリパーゼ値の上昇を用量依存的かつ有意に抑制した. また, 膵組織湿重量の増加も抑制し, 組織学的にも膵の間質性浮腫, 膵腺房細胞内空胞化および炎症性細...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (4), p.183-195
Hauptverfasser: 小林護, 品川和彦, 杉浦勝, 長沢達也, 赤羽増夫, 味澤幸義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:覚醒ラットもしくはマウスを用いて3種類の実験的急性膵炎を作製し, 新しく開発されたコレシストキニン-A受容体拮抗薬KSG-504の急性膵炎に対する作用を生化学的・組織学的に比較検討した. まず覚醒ラットにセルレイン20μg/kgを1時間ごとに4回皮下投与して, 急性膵炎を作製し, KSG-504の予防および治療的効果を検討した. KSG-504前投与(10, 25, 50および100mg/kg, i.v.)はセルレインによる血漿アミラーゼ値およびリパーゼ値の上昇を用量依存的かつ有意に抑制した. また, 膵組織湿重量の増加も抑制し, 組織学的にも膵の間質性浮腫, 膵腺房細胞内空胞化および炎症性細胞浸潤の変化を用量に依存して改善した. さらにセルレイン最終投与30分後にKSG-504(25, 50および100mg/kg, i.v.)を投与した場合でも, セルレイン膵炎は用量依存的に抑制され, 治療的効果も確認できた.
ISSN:0015-5691