興奮性および非興奮性細胞の[Ca^2+ ]iに対する局所麻酔薬の作用

〔目的〕先に我々は, 局所麻酔薬(LA)がラット後根神経節(DRG)細胞のCa^2+ チャネルに対して, 特異的にL-typeチャネルをblockすることをパッチクランプ法を用いて明らかにした. 本研究では, ラットDRG(興奮性細胞)とヒト好中球(非興奮性細胞)の二種類の細胞を用いて, 種々の刺激物質による細胞内遊離カルシウムイオン濃度[Ca^2+ ]i上昇に対するLAの作用を検討した. 〔方法〕ラットDRGは10±5dayの新生仔の脊髄から摘出し, collagenaseおよびtrypsinで酵素処理し, 遊離細胞を調製した. 好中球は健常なヒト末梢血よりFicollによる不連続密度勾配法...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (2), p.142-142
Hauptverfasser: 久保山昇, 中尾寿美, 守屋芳子, A. Scholz, W. Vogel
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕先に我々は, 局所麻酔薬(LA)がラット後根神経節(DRG)細胞のCa^2+ チャネルに対して, 特異的にL-typeチャネルをblockすることをパッチクランプ法を用いて明らかにした. 本研究では, ラットDRG(興奮性細胞)とヒト好中球(非興奮性細胞)の二種類の細胞を用いて, 種々の刺激物質による細胞内遊離カルシウムイオン濃度[Ca^2+ ]i上昇に対するLAの作用を検討した. 〔方法〕ラットDRGは10±5dayの新生仔の脊髄から摘出し, collagenaseおよびtrypsinで酵素処理し, 遊離細胞を調製した. 好中球は健常なヒト末梢血よりFicollによる不連続密度勾配法を用いて分離した. ([Ca^2+ ]i)の変化は, Fura-2AM負荷細胞を用いて, 2波長蛍光分光光度計により測定した. 〔結果と考察〕Bupivacaine(Bup)はDRGおよび好中球の[Ca^2+ ]iを用量依存的(5x10^-5 ~10x^^-3 M)に上昇させることが認められた. この増加は一過性で約30秒後にpeakに達した.
ISSN:0015-5691