Ca^2+ とGTP-γSによるインスリン分泌調節について

[目的]膵B細胞からのインスリン分泌にCa^2+ とGTPのアナログであるGTP-γSがどのように関与するかを, ストレブトリシン-Oによる透過性細胞を用いて検討した. [方法]ラット膵からコラゲナーゼ法で単離した膵ランゲルハンス島を5個ずつのグルーブとし, 低Ca^2+ バッファーで2回洗浄した後, 種々の物質を加えたストレプトリシン-O(0.125U/ml)を含むグルタミン酸バッファー中で37℃45分間インキュベートした. メディウム中に分泌されたインスリンは, RIA法で測定した. [結果]Ca^2+ は1-100μMの濃度で, mMオーダーのMgATPの共存下にインスリン分泌を惹起した...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (2), p.112-112
Hauptverfasser: 仁木一郎, 飯田有二, 日高引義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]膵B細胞からのインスリン分泌にCa^2+ とGTPのアナログであるGTP-γSがどのように関与するかを, ストレブトリシン-Oによる透過性細胞を用いて検討した. [方法]ラット膵からコラゲナーゼ法で単離した膵ランゲルハンス島を5個ずつのグルーブとし, 低Ca^2+ バッファーで2回洗浄した後, 種々の物質を加えたストレプトリシン-O(0.125U/ml)を含むグルタミン酸バッファー中で37℃45分間インキュベートした. メディウム中に分泌されたインスリンは, RIA法で測定した. [結果]Ca^2+ は1-100μMの濃度で, mMオーダーのMgATPの共存下にインスリン分泌を惹起した. 一方, GTP-γSもまた0.1-100μMの濃度でインスリン分泌を増加させたが, この分泌反応はMgATPを必要としなかった. GTP-γSにより最大限のインスリン分泌を起こした条件下でCa^2+ の濃度を上げると, ほぼ相加的なインスリン分泌の上昇が見られた. GDPのアナログであるGDP-βSは, GTP-γSによるインスリン分泌のみを抑制し, Ca^2+ による分泌には影響を与えなかった. [結論]Ca^2+ とGTP-γSは, いずれも膵B細胞におけるインスリン分泌に促進的に働くが, その機序は独立していることが示唆された.
ISSN:0015-5691