エタノール処理ニワトリ胚子大脳培養細胞のNO合成酵素活性上昇の機構

〔目的〕先に, ニワトリ胚子脳ミクロノームおよび培養神経細胞においてNADPH diaphorase活性および^^3 H L-arginineから^^3 H L-citrullineへの変換量から算出したNO合成酵素(NOS)活性は長期エタノール処理した胚子の方が対照群より著しく高い活性を示すことを報告した. 今回, エタノールによるNOS活性上昇の機構を研究するために, ^^3 H deoxythmidine 5-triphosphate(^^3 H-dTTP), ^^3 H urdine(^^3 H-U)および^^14 C L-leucine(^^14 C-Leu)のニワトリ胚子脳培養神経...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (2), p.107-107
Hauptverfasser: 夏木令子, 森千嘉子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕先に, ニワトリ胚子脳ミクロノームおよび培養神経細胞においてNADPH diaphorase活性および^^3 H L-arginineから^^3 H L-citrullineへの変換量から算出したNO合成酵素(NOS)活性は長期エタノール処理した胚子の方が対照群より著しく高い活性を示すことを報告した. 今回, エタノールによるNOS活性上昇の機構を研究するために, ^^3 H deoxythmidine 5-triphosphate(^^3 H-dTTP), ^^3 H urdine(^^3 H-U)および^^14 C L-leucine(^^14 C-Leu)のニワトリ胚子脳培養神経細胞への取り込みについて検討した. 〔方法〕ホワイトレグホンの受精卵・胚形成期3日目にエタノールを投与した後, 12日~14日齢の胚子大脳神経細胞を遊離し, 常法に従い培養を開始した. 培養0日~8日目の神経細胞を使用し, dATP, dGTP, dCTP, dTTP(またはuridine)等の核酸塩基存在下, ^^3 H-dTTP, ^^3 H-Uまたは^^14 C-Leuとイノキュベーションし, 取り込まれたそれぞれの放射活性を測定し, DNA, RNAおよび蛋白合成の指標とした. 〔結果および考察〕長期エタノール処理群の胚子から得られた遊離神経細胞および培養細胞のほとんどの日齢で^^3 H-dTTP, ^^3 H-Uまたは^^14 C-Leuの取り込みが対照群より得られた値より顕著に高かった. これらの結果は, エタノールによるNOS活性の上昇は, DNA, およびRNAの合成を伴う蛋白合成の増加によるものと推測される. 以上, エタノールによるNOS酵素の増加が細胞障害に関与していることが示唆された.
ISSN:0015-5691