ヒト神経組織からのGTP cyclohydrolase I type 1 cDNAの単離

Tetrahydrobiopterin(BH4)は, 芳香族アミノ酸を水酸化するmonooxygenaseやnitric oxide synthaseの補酵素として働き, 我々はその薬理作用に注目している. BH4は, GTPから生合成され, その律速酵素がGTP cyclohydrolase I(GCHI)である. ヒトではcDNAが単離され, type1, 2, 3といった3種類の多型が報告されているが, poly(A)tailつきのcDNAは報告されていない. また, ヒトの非神経組織においては約3.6KbのGCHImRNAが発現していることが報告されている. そこで, 今回我々はヒトの...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (1), p.60-60
Hauptverfasser: 大槻眞嗣, 野村隆英, 松井茂, 長谷川勢子, 一瀬鷲見千穂, 野村裕子, 一瀬宏, 萩野泰道, 藤田啓介, 永津俊治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Tetrahydrobiopterin(BH4)は, 芳香族アミノ酸を水酸化するmonooxygenaseやnitric oxide synthaseの補酵素として働き, 我々はその薬理作用に注目している. BH4は, GTPから生合成され, その律速酵素がGTP cyclohydrolase I(GCHI)である. ヒトではcDNAが単離され, type1, 2, 3といった3種類の多型が報告されているが, poly(A)tailつきのcDNAは報告されていない. また, ヒトの非神経組織においては約3.6KbのGCHImRNAが発現していることが報告されている. そこで, 今回我々はヒトのpoly(A)tailがついた完全長のcDNAを単離し, 全塩基配列を決定し, ヒト神経組織における発現を検討した. 〔方法〕マウス脳から単離したcDNAをプローベとして, ヒト副腎褐色細胞腫のライブラリーをスクリーニングして, 塩基配列の決定を試みた. また, ヒトGCHI type1のcDNA断片を使用してヒト褐色細胞腫におけるmRNAの発現をNorthern解析した. 〔結果〕15個の陽性クローンが得られ, 全てがtype1であった. 0.4%アガロース電気泳動にて約3kbのcDNAを選択して, poly(A)tailを含んだ2921bpのcDNAを単離した. 翻訳領域は750bpとtype1と同一であった. 3非翻訳領域はpoly(A)tailまで2002bp, 5非翻訳領域は148bpであった. そして, その3非翻訳領域の1713番目から2015番目にtype2に特異的な3側翻訳領域の一部と3非翻訳領域がみられた. ヒト副腎原発の褐色細胞腫組織のNorthern解析では, 約4.0Kbの大きさの単一のバンドが確認された.
ISSN:0015-5691